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療育支援加算は10月から全園が新要件|「去年と同じ」が通用しなくなった理由と、残すべき記録

12 時間前
読了時間: 14分

まずは解説動画をご覧ください(約28分)


▲ 令和8年度に見直された療育支援加算。9月末で経過措置が終わり、10月からはすべての園が新しい要件で算定しています。何が変わり、園は何を残さなければいけなくなったのかを、国の一次資料をもとにお話しします。


※この記事は、配信日時点のこども家庭庁の通知・FAQ等をもとに、太田が読み解いた解釈に基づいています。今後の資料の読み直しや国の新しい情報によって、解釈を変えることがあります。実務は、必ず管轄の市町村にご確認ください。


療育支援加算は、公定価格の加算の1つです。これが令和8年度に大きく変わりました。そして9月末で経過措置が終わり、この10月からは、すべての園が新しい要件で算定しています。

「うちは去年から取っているから大丈夫」。そう思っている園ほど、いま確かめていただきたいことがあります。

この記事では、前半で制度の解説を、後半で10月から開く「療育支援加算 新要件の実務セミナー」のご案内をします。前半だけでも、園のいまの状態を確かめる材料になります。



内容

1

療育支援加算は令和8年度にどう見直されたのか。4つの区分になったこと、5つの取組が要件になったこと、地域型保育に新しくできたこと

2

経過措置の正体と、それが終わった日(通知の原文)

3

現場からよく聞く3つの声と、そこから出てくる3つの問い

4

セミナーのご案内(5つの章、作業シート、無料の個別相談、日程と申込み)




そもそも療育支援加算とは

療育というのは、障害のあるお子さんの発達を支える関わりや支援のことです。療育支援加算は、障害のあるお子さんを受け入れて療育支援を行う体制を持つ園に、園全体として付く加算です。



内容

誰に付くか

障害のあるお子さんが1人以上利用していて(月の初日に1人いれば、その年度はずっと満たす扱い)、国が定める取組と体制を持つ施設・事業所

対象

幼稚園、保育所、認定こども園、家庭的保育、小規模保育、事業所内保育。居宅訪問型保育だけが対象外

体制① 専任化型

主幹教諭や主任保育士等を専任化して、その方を補助する人を置く型。幼稚園・保育所・認定こども園だけにある

体制② 専門職型

理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、心理の担当者、看護師といった専門職を、月60時間以上(地域型は30時間以上)活用する型


そして大前提として、通知には「障害児を積極的に受け入れ、正当な理由なく保育の提供を拒否しない」「施設の職員がチームとなって取り組む」と書かれています。

加算のために受け入れるのではありません。受け入れたお子さんにきちんとした支援を届ける体制を、国が加算で支えている。この順番です。




令和8年度に、何が変わったのか

区分が4つになり、地域型にも新設された

こども家庭庁が令和8年4月に出した「令和8年度 公定価格・基準等の見直し事項 各改定事項概要資料」の11ページに、単価表があります。



見直し前

見直し後

幼稚園・保育所・認定こども園

主任保育士等を補助する職員を配置する型だけ。A(特別児童扶養手当支給対象児童受入施設)とB(それ以外の障害児受入施設)の2区分

専門職を配置または嘱託する型が新しくでき、C(月90時間以上。1週に3日程度を想定)とD(月60時間以上。1週に2日程度を想定)が加わって、AからDの4区分に

家庭的保育・小規模保育・事業所内保育

なし

新設。専門職型だけで、A(月60時間以上。1週に2日程度を想定)とB(月30時間以上。1週に1日程度を想定)の2区分


単価表の注記には、補助する職員の配置(A・B)と専門職の配置(C・D)はいずれかのみ算定できること、Cは特別児童扶養手当支給対象児童の受入施設か定員90人以上の施設のみ、地域型のAは特別児童扶養手当支給対象児童の受入施設のみ算定できることも書かれています。


どの型でも、5つの取組が要件になった

ただ、今日いちばんお伝えしたいのはこちらです。令和8年度から、どの型を選んでも、共通して5つの取組が要件になりました。



取組

ⅰ

対象となる障害児の把握。一覧表を使って職員で共有する

ⅱ

個別の支援計画と指導計画を作って、定期的に見直す

ⅲ

障害児通所支援事業所(児童発達支援など)との連携

ⅳ

家族への支援。相談体制と個別面談、全家庭への周知

ⅴ

地域の関係機関と連携したインクルージョンの推進


この5つ、すでにやっている園は多いと思います。問題は、やっているかどうかではなく、記録として残っているかどうかです。 年度末の実績報告で、この5つの取組の内容を書いて出すことになったからです。




経過措置の正体と、それが終わった日

通知の注意書きに、経過措置が書かれています。


(注4)令和7年度において療育支援加算を算定している施設については、新たに示す取組を実施するための準備期間として、令和8年9月末日までは、従前の取組を行うことで、①の要件を満たすものとする。

(留意事項通知 別紙2(保育所)Ⅵ2 療育支援加算(注4)。幼稚園は別紙1(注4)、認定こども園は別紙3(注5)に同じ文言)

3つに分けて読みます。



原文から読み取れること

誰に

令和7年度に算定していた施設。今年度から取り始めた園には、最初からありません

どの型に

「①の要件」とあるので、専任化型のAとBだけ。専門職型のCとD、そして地域型には、経過措置そのものがありません

いつまで

令和8年9月末日まで


つまり、10月1日からは、すべての園がこの5つの取組を要件として算定している状態です。

「うちは去年から取っているから大丈夫」。これは、9月までは本当でした。でも、今月からは違います。10月以降の取組とその記録が、年度末の実績報告と監査で見られます。




現場からよく聞く、3つの声

個別相談やセミナーで、実際に寄せられる声を3つ挙げます。



声

答え

1

専任化型で去年から続けている園の園長先生から。「去年から取っているし、主任も専任化しているので、何が変わるんですか?」

変わります。体制は同じでも、10月からは5つの取組の記録が必要です

2

障害のあるお子さんを受け入れている園の主任の先生から。「5つの取組ってやってはいるけれど、記録って何をどこまで残せばいいの?」

いちばん多い声です。一覧表、計画、会議の記録、おたより。何を、いつ、どの程度か。国のFAQに答えはありますが、「学期ごとないし上半期・下半期ごと」のような書き方なので、園の毎日の言葉に置き換える必要があります

3

専門職型を検討している園の事務の方から。「作業療法士さんに来てもらっているけれど、時間の数え方がよく分かりません。巡回の先生の分も入れていいの?」

入れられません。市の巡回支援で来てくれる先生の時間は、専門職の時間には数えられないとFAQに書いてあります。数えてはいけない時間は、ほかにもあります


3つとも、答えは「公定価格に関するFAQ(よくある質問)第32版」に書いてあります。ただ、FAQは問いと答えが100問以上並んだ資料で、療育支援加算だけでも30問ほどあります。読んだだけでは、園の実務に落とし込みにくいのです。




3つの声を、3つの問いに言い換えると


問い

中身

問い1

うちの園は、どの区分で取れるのか

施設型のA〜D、地域型のA・B。専任化型には「専任加算の対象施設であること」という前提がある。認定こども園には、主幹の専任化の減算を受けていると専任化型が閉じるという連鎖がある。そして金額の違い

問い2

5つの取組は、何を、いつ、どの程度やればよいのか

ⅰ〜ⅴごとに、残す記録と時期。全部できていないと取れないのか。年度の途中から始めた園はどうなるのか

問い3

専門職の時間はどう数えるのか。年度末に何を出すのか

実働で数える、年間の延べで判定する、数えてはいけない時間がある。実績報告の様式(別添6)と、監査で見られる点


この3つに答えられる園は、年度末の実績報告で困りません。逆に言うと、どれかがあいまいなまま年度末を迎えると、「よく見たら要件を満たしていなかった」ということが起こり得ます。

ここからは、それぞれの入り口だけをお見せします。


問い1の入り口|区分は「どちらが得か」ではなく「どちらの体制が組めるか」

告示の別表第2、保育所の療育支援加算の欄を見ると、AとBは式の形をしています。基本額に「何百円×加算率」が付いていて、この加算率は処遇改善等加算の率ですから、AとBには処遇改善等加算が上乗せされます。



金額の見え方

裏側にある費用

A・B(専任化型)

処遇改善等加算が上乗せされる。主任を専任化していれば、専任加算も別に付く

主任の代わりに入る、補助の方の人件費

C・D(専門職型)

基本額だけ見ると、こちらのほうが大きい

専門職の嘱託費用


つまり、区分は「どちらが得か」ではなく、「どちらの体制が組めるか」で決まります。たとえば、主任が抜けると現場が回らない園は、専任化型は難しい。でも、市内に嘱託を受けてくれる作業療法士さんの当てがあるなら、専門職型が見えてきます。

セミナーでは、幼稚園・保育所・認定こども園・地域型の金額を原典から読んで、保育所のBと小規模保育のAの計算例を、途中の式から検算まで一緒に追いかけます。


問い2の入り口|月ごとの定めはない。でも、時期と優先順位は決まっている

FAQ No.304の答えでは、ⅰ〜ⅴの取組は、年度を通じて総合的に実施されることを求めているものとされています。月ごとにやれ、という定めはありません。でも、時期と優先順位は決まっています。



中身

ⅰ 把握・ⅳ 家族支援

算定を始めた月から「早々に」。そして、ⅰとⅳについては、災害等以外にやむを得ない事情は想定していないとされています(FAQ No.303・305)。つまり例外がありません。一覧表を作ること、相談体制を作って全家庭に知らせること。これは必ずです

ⅱ 個別の計画

作成と見直し、そのための会議は「学期ごとないし上半期・下半期ごと」(FAQ No.305)。4月に計画を作った園なら、下半期に入ったいまが見直しの時期です

全部できなくても

障害児全員を対象に取り組んで、結果として一部できなかった場合でも、全体としてインクルージョンの推進が図られていれば、要件を満たす扱いにしてよいとされています(FAQ No.303)。ただし、最初から「一部はやらない」という予定の立て方は認められていません


セミナーでは、ⅰ〜ⅴごとに、残す記録と「いつ・誰が」を一覧にして、一覧表の記入例と、全家庭向けのおたよりの例文をお渡しします。


問い3の入り口|年度末に出す様式「別添6」

年度末に出すものは、国が様式を用意しています。公定価格FAQ第32版(令和8年 7月 24日時点版)に付いている、別添6「療育支援加算に係る実績報告書」と「療育支援加算における専門職配置時間計算シート」です。



中身

実績報告書の「個別の取組について」

たとえば冒頭の「障害特性等や気にかけるべき点等を整理した一覧表の作成」について、「全員分作成した」か「一部作成できなかった」に丸をつけ、一部なら対象児童数とうち作成した児童数(作成率が出る)、作成できなかった理由と今後の取組方針を書く。この形が、ⅱからⅴまで同じように続く

専門職配置時間計算シート

専門職ごとに、月の実働時間を入れると、年間の合計と平均が出て、算定可能かどうかが判定される。専門職型の園は、このシートを実績報告に添付する


できなかったことを隠す様式ではありません。理由と、次にどうするかを書く様式です。

そして、FAQ No.308では、やむを得ない事情もなく、取組の多くに取り組んでいることが確認できないケースは、認定の取消しや返還措置の対象になるとされています。実績報告は、翌年の4月末までです。

セミナーでは、この別添6を実物で映しながら、第2章で残した記録がそのまま転記できる形にしていきます。計算シートの記入のしかたと、年度の途中から下書きとして使う方法もお話しします。




◆療育支援加算 新要件の実務セミナー◆

5つの取組を記録にして、年度末の実績報告に備える

いまお見せした3つの問いに、一次資料の実物を映しながら、架空の園の例で答えていくのがこの講座です。


対象

幼稚園、保育所、認定こども園、家庭的保育、小規模保育、事業所内保育。すべての類型の、園長・副園長先生、主任の先生、事務の担当の方、法人本部の方が対象です。

特に、こんな園に向いています。

  • 専任化型で、去年から算定している園

  • 障害のあるお子さんを受け入れていて、これから申請を考えている園

  • 専門職を活用している、または検討している園


講座の中身|5つの章(120分・途中休憩10分)

章

内容

第1章

自園はどの区分か。施設型のA〜D、地域型のA・B、専任化型の前提、認定こども園の連鎖、類型別の金額と計算例

第2章(中心)

5つの取組を記録の形にする。ⅰ〜ⅴごとに何を・いつ・どの程度。一覧表の記入例、全家庭向けのおたよりの例文、年度の途中に受け入れたり退所したりした場合の扱いまで

第3章

専門職の時間の数え方。実働で数える、年間の延べで判定する、数えてはいけない時間。国の計算シートの記入のしかた

第4章

申請と実績報告と監査。申請様式の療育支援加算の欄、別添6の様式、監査で見られる検討の過程、年度の途中から始める園の道筋

最終章

3つの持ち帰りと作業シートの使い方、無料個別相談のご案内


通知やFAQ、別表、申請様式、別添6。該当箇所はすべて実物を画面に出し、どこに書いてあるかを見ながら進めます。受講後にご自身で原典に戻れるようにしたいと思っています。


お渡しするもの①|作業シート(Excel・5タブ)

講座と同じ並びにしてあります。


タブ

中身

1

対象児一覧

ⅰの取組の一覧表のひな型。把握の根拠、特性と気にかける点、通所の種別と日時、共有の記録

2

取組チェック表

取組ⅰ〜ⅴと専門職の研修について、残す記録、いつ・誰が、根拠。空欄が「今月やること」

3

周知文の例

全家庭向けのおたよりの例文。園名と窓口と予定日を入れ替えれば、そのまま使える

4

専門職の時間の下書き表

月ごとの実働時間を入れると、月別の区分と年間の延べの判定が自動で出る。国の計算シートに転記するための下書き

5

区分別の試算

類型をプルダウンで選び、区分と加算率を入れると、月額と年額の目安が出る。全区分の比較つき。国の別表から転記した単価表を参照しているので、どの数字がどこから来たかも追える


お渡しするもの②|無料個別相談(受講者特典)

おひとり1園につき、30分ほどです。セミナーでは架空の園の例でお話ししますが、皆様の園には園の事情があります。

  • うちは専任化型と専門職型の、どちらの道を組めるのか

  • いまある表や計画を、どう直せばいいのか

  • 専門職の勤務の形で、時間の数え方は大丈夫か

  • 年度の途中から始めるとして、今月から何をすればいいのか

  • 別添6に、うちの記録をどう書くか

こういうご相談を、自園の状況に当てはめて一緒に整理します。研修後のアンケートで「希望する」にチェックを入れていただければ、日程を調整してご案内します。記録の整備や年度末の実績報告の作成を一緒に進める伴走もご用意していますので、必要な方には個別相談の中でご説明します。


日程と受講の形

各回同じ内容です。Zoomで開催します。

日程

時間

2026年 10月 23日(金)

17:00〜19:00

2026年 11月 19日(木)

17:00〜19:00

2026年 12月 8日(火)

17:00〜19:00

受講の形

受講料

ライブに参加

8,800円(税込)

ライブに参加して、後日アーカイブでも見返す

11,000円(税込)

日程が合わない方は、アーカイブ視聴のみ

11,000円(税込)


アーカイブは、配信日の翌月末までご視聴いただけます。

ライブでご参加いただくと、事前にアンケートをお送りし、いただいたご質問を講座の中で扱います。全施設向けのお話だけでなく、受講者の方ご自身のご質問にもお答えしたいと思っています。チャットでいただいたご質問にも、その場でお答えします。「その場で聞きたい」「リアルタイムで聞きたい」という方は、ぜひライブにお越しください。


お申込みの流れ


流れ

1

申込フォームに入力

2

受付メールが届き、受講料のお振込み先をご案内

3

お振込み完了後、申込確定メールが届く。その後、リマインドメールや事前アンケートをお送りします

4

受講後、アーカイブをお申込みの方にはアーカイブ動画をお送りします





最後に|記録は、体制があることを園の外に伝える言葉

療育支援加算の5つの取組は、障害のあるお子さんにとって本来必要な支援を、園の体制として形にしたものです。記録は、その体制が確かにあるということを、園の外に伝えるための言葉です。

10月から、すべての園が新しい要件で算定しています。年度末に「よく見たら足りなかった」とならないように、いまのうちに残すべきものを確かめておきましょう。


この講座を急いで立ち上げた理由

療育支援加算は、そもそも知らないという方もいらっしゃるかもしれません。でも、今年度の公定価格の見直しの中で、ここが大幅に変わりました。8月に新しい提出様式が出てきて、それを見ていると、9月までは旧要件、10月からは新要件です。ここをちゃんと知っていないと、年度末に要件違反になってしまう。セミナーをやっていて、そう感じる場面がありました。

経営改善のセミナーでも少し解説していますが、ここは複雑ですし、10月から始まったことをご存じない方もいらっしゃるかもしれない。そう思って、細かくやることにしました。

療育をされている園は、素晴らしい取組をされています。加算は、もうかる・もうからないの話ではありません。その体制を維持するために必要で、体制を支えてくれるお金です。終わってみたら、その支えるお金がなかった。それが「知っているかどうか」だけで決まってしまうのだとしたら、分かって、理解して取り組めたほうがいい。そう思って、この講座を作りました。

提出のときにあまり困らないよう、一次資料も交えてお話しします。よろしければ、一緒に学び合いましょう。10月から12月はお忙しい時期ですので、アーカイブでのご視聴もできます。




お問い合わせ


特定非営利活動法人 すずらんチャイルドケア

人財育成部 部長 太田 宏彰


〒250-0862 神奈川県小田原市成田475-17 ゼフィールU201

TEL 0465-87-7649




ご質問はホームページのお問い合わせフォーム、または動画のコメント欄からもお受けしています。

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