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こども性暴力防止法、内定を出すのは12月 24日までか、25日以降か|同じ4月採用でも、確認の時期と用意するものが変わる

21 時間前
読了時間: 13分

まずは解説動画をご覧ください(約25分)


▲ 来年4月に採用する職員の内定を、12月 24日までに出すか、25日以降に出すか。こども性暴力防止法では、この1日の違いで、犯罪事実確認の時期と園が用意するものが変わります。国のQ&Aの実物で確かめます。



たった1日の違いで、変わります

来年、2027年 4月に採用する新卒や中途の職員。同じ4月 1日に働き始める方でも、内定を出す日が12月 24日までか、それとも25日以降かで、犯罪事実確認をいつやるのか、そして園が何を用意するのかが変わります。

「たった1日違うだけで変わるの?」と思われるかもしれません。そうですよね。ただ、変わります。こども性暴力防止法の施行日が12月 25日だからです。

この記事では、その分かれ目を国のQ&Aの実物で確かめて、園がどちらの道を選ぶかの判断の材料をお渡しします。施行までに園がやることの全体は、12月 24日までに、園が必ず終えることの記事にまとめています。




そもそも、犯罪事実確認は「いつまでに」で2つに分かれる

まず、そもそも犯罪事実確認はいつまでにやるのか、からいきます。ここが2つに分かれることが、今日の話の土台です。

こども家庭庁の「こども性暴力防止法に関するQ&A」(2026年 9月 29日改訂)の基礎編6-6です。こども家庭庁ホームページの「こども性暴力防止法」のページに掲載されています。


6-6 犯罪事実確認はいつまでに終える必要がありますか。

義務対象事業者、つまり認可保育所やこども園の場合、期限は従事者の区分で分かれます。

区分

どんな人か

犯罪事実確認の期限

新規従事者

施行日(2026年 12月 25日)以降に、新たに対象業務に従事することとなる人

当該業務の従事開始日まで(働き始める日まで)

施行時現職者

施行日の時点で対象業務に従事している人、または内定していた人

2029年(令和11年)12月 24日まで

しかも、施行時現職者の交付申請は、時期を分散して行うこととされています。都道府県ごとに、申請する月が割り当てられます。

たとえて言うと、新しく乗る人は改札で切符を確かめてから乗る。もう乗っている人は、車内で順番に検札が回ってくる。この2つになるということです。




分かれ目は「内定日」

では、来年4月に入る内定者は、どちらなのでしょうか。ここが今日の分かれ目です。

Q&Aの基礎編6-3をご覧ください。


施行時現職者は、施行時点で対象業務に従事している者及び令和8(2026)年12月24日以前に内定・内示等があり対象業務に従事させることが決定していた者をいいます。

つまり、12月 24日までに内定を出していれば、まだ働いていなくても施行時現職者になります。 改札のたとえで言うと、車内で検札を待つ側になるんです。

そして、応用編6-7-2です。


令和9(2027)年4月採用の教員採用試験を実施し、施行日の前日までに内定を出す場合、施行時点で勤務校が決まっていなくても施行時現職者に該当しますか。
施行日の前日までに内定、内示等を出した者については、勤務校が決まっていなくても施行時現職者に該当します。

Q&Aは学校の例ですが、法人でいくつかの園を運営していて、配属先が決まっていなくても同じだと考えています。

裏を返すと、12月 25日以降に内定を出した人は、新規従事者という扱いになります。 働き始める日までに犯罪事実確認書が必要な、改札で確かめる側です。内定通知を出すのが1日ずれるだけで、この区分が変わるんですね。




2つの道を1枚で

ここを押さえたうえで、2つの道を比べます。


道A 12月 24日までに内定

道B 12月 25日以降に内定

区分

施行時現職者

新規従事者

犯罪事実確認

都道府県ごとの申請対象月(2027年 4月〜2029年 12月)に、現職者と一緒に

従事開始日まで(4月 1日より前に確認書が手元に)

4月 1日に

確認書がなくても働き始められる

確認書が必要(間に合わなければ「いとま特例」の要件)

研修

働き始めるまでに座学+演習

働き始めるまでに座学+演習

園が用意するもの

募集要項・誓約書・内定通知書/現職者名簿に入れる/戸籍の案内

募集要項・誓約書・内定通知書/1〜3月の申請作業(逆算カレンダー)

園が用意するもののうち、採用選考の3点(募集要項・誓約書・内定通知書)は、どちらの道でも共通です。違うのは、道Bでは1月から3月にかけて、こまもろうシステムでの申請作業が加わることです。一つずつ見ていきます。




道A:12月 24日までに内定した人

12月 24日までに内定を出した方は施行時現職者ですから、いまいる職員と同じ扱いになります。犯罪事実確認は、園のある都道府県に割り当てられた申請対象月に、現職の職員とまとめて申請します。時期は、4か月前に国から伝えられます。

研修については、施行ガイドラインの124ページにこう書かれています。


施行日の前日までに当該業務に従事させることを決定していた者であって、施行日後に当該業務に従事させるものについては、当該業務に従事させるまでの間に受講させればよい。

つまり、4月 1日までに座学と演習を受けてもらう必要があります。入職前のオリエンテーションに組み込む園が多いと思います。

園での作業は3つです。


  1. 施行時現職者の名簿に、この内定者を入れておく

  2. 戸籍の案内を、現職の職員と同じタイミングで内定者にも渡す

  3. 研修の日程を入職前に組む


道Aのよいところは、4月 1日に確認書を待たなくてよいことです。1月から3月の申請作業がありません。

ただし、申請対象月が来るまでは、確認がまだの状態で働くことになります。これは法律が認めている形ですので、問題はありません。ただ、名簿から漏れると2029年 12月の期限を過ぎてしまいますので、名簿が命です。


道Aの注意① 内定前の確認はできない

道Aには、注意が2つあります。1つ目は、Q&A基礎編6-4です。


6-4 新たに採用する者についての犯罪事実確認は内定前でもできますか。 できません。犯罪歴に関する情報は、極めて機微性の高い個人情報であり、真に確認が必要な従事者についてのみ、犯罪事実確認を行うことができます。そのため、本人の承諾があったとしても、対象業務に従事することが決定していなければ、犯罪事実確認を行うことはできません。

犯罪歴は、とても機微な、つまりデリケートな情報だからです。ですから、「先に犯罪事実確認をしてから内定を出す」という順番は、どちらの道でも取れません。


道Aの注意② 誓約書は必ず

2つ目は、Q&A基礎編7-4です。内定取消しを有効にするために、採用選考の過程で3つが必要です。


採用募集要項の採用条件に、特定性犯罪前科が無いことを明示すること 内定前(履歴書提出時)の誓約書等を通して、特定性犯罪前科の有無を明示的に確認すること 内定通知書等に内定取消し事由として「重要な経歴の詐称」を定めておくこと

これは道Aでも同じです。「12月 24日までに内定したから、確認は2029年まででいい」と安心して、誓約書を取り忘れる。これがいちばん起きやすい抜けです。 確認があとになるからこそ、入口の誓約書が園を守ります。




道B:12月 25日以降に内定した人

12月 25日以降に内定を出した方は新規従事者ですから、基礎編6-6のとおり、従事開始日までに確認書が必要です。4月 1日に働き始めるなら、3月中に確認書が手元にある状態です。

申請は、こまもろうシステムで行います。基礎編6-11には、申請のときに次の書類を添付する必要がある、と書かれています。


従事者が対象業務に従事することを証する書類(内定通知書、雇用契約書等)

つまり、内定通知書は申請の添付書類にもなります。

そして、基礎編6-5です。犯罪事実確認書が交付されるまでの標準処理期間は、日本国籍の方で2週間から1か月程度、外国籍の方で1か月から2か月程度です。標準処理期間の最長期間より前に申請したのに、期間を過ぎても交付されない場合は、「いとま特例」の「やむを得ない事情」として扱われる、とあります。

いとま特例とは、犯罪事実確認書の交付が間に合わない、やむを得ない事情があるときに、一定の条件のもとで、確認書が届く前に従事させられる仕組みです。ただし、これは間に合わなかったときの救済であって、最初からあてにするものではありません。名前に「特例」とついているとおりです。


道Bは、4月 1日からさかのぼる逆算カレンダーが要る

道Bでは、逆算のカレンダーが必要になります。4月 1日からさかのぼります。

時期

やること

12月上旬

ログイン情報のメールが届き、園がシステムに入れるようになる

12月中

情報管理規程を、初回の申請の前に提出する

1月

内定者が従事者アカウントを作り、戸籍の識別符号を登録する(発行から3か月以内)

2月中

交付申請(内定通知書を添付)。外国籍の方は1月中

3月

確認書が手元に届く(処理期間は最長1か月)

4月 1日

従事開始。研修は従事する前に

申請の前には、3つがそろっている必要があります。


  1. 内定者本人が、マイナンバーカードでこまもろうシステムの従事者アカウントを作り、戸籍の識別符号を登録していること。識別符号は発行から3か月以内に登録しますから、1月に取ってもらうのがちょうどよいと思います

  2. 園の情報管理規程が、初めて申請する前に提出されていること(選び方は動画「情報管理規程を3つの中から選ぶ」で)

  3. 園がシステムにログインできていること。これは12月上旬のメールで始まります(まとめ登録が済んでいるかが前提です)


たとえると、4月 1日の入園式に間に合わせる制服の注文と同じです。注文してから届くまで1か月かかるなら、2月に注文する。注文するには採寸が要りますから、1月に採寸する。採寸の前には、注文用紙、つまり規程が要る、ということです。

この逆算の1枚を紙にして、内定者ごとに日付を入れておきましょう。これが道Bの園の作業です。




こども性暴力防止法と内定日、どちらの道を選ぶか

では、園はどちらの道を選ぶのか。判断の材料を並べます。


道A 12月 24日までに内定

道B 12月 25日以降に内定

よい点

1〜3月の申請作業がない/4月 1日に確認書を待たない/戸籍の準備は現職者と同じペース

4月 1日に「確認済み」の職員として迎えられる

気をつける点

申請対象月まで「確認はまだ」で働く/名簿の管理が2029年まで続く

1〜3月に本人の手続きと園の申請が集中する/間に合わなければ、いとま特例の要件が必要

ここで1つ、大事なことをお話しします。犯罪事実確認を早く済ませたいからといって、内定を25日以降に遅らせる、という考え方はおすすめしません。

内定は、採用の約束です。学生さんは、内定の日付で進路を決めています。法律の手続きの都合で約束の日を動かすのは、順番が逆です。

ですから、私の整理はこうです。


  • すでに内定を出している、あるいは12月 24日までに出す予定の人は、道A。名簿と誓約書をきちんと準備する

  • 年明け以降に選考する人は、道B。逆算カレンダーをきちんと準備する


どちらが正しいというわけではありません。どちらの道かを園が分かっていることが、いちばん大事です。




どちらの道でも必要な3点

どちらの道でも必要な3点を、もう一度確かめます。準備ガイドの6ページです。


  1. 募集要項に、特定性犯罪の前科がないことを採用条件として載せる

  2. 内定前、履歴書の提出の時点で、誓約書を取っておく

  3. 内定通知書に、取消事由として「重要な経歴の詐称」を書いておく


国の参考例は、募集要項・誓約書・内定通知書それぞれ、こども家庭庁の「ひな型・参考例リンク集」にあります。施行ガイドラインでは220ページからです。

たとえば、こんな場面を想像してください。道Aで内定を出した方について、2028年の申請対象月に確認したら、該当者だった。このとき、誓約書で「前科はない」と書いてもらっていれば、「重要な経歴の詐称」として対応できます。誓約書がなければ、確認結果だけを理由にした対応になり、労働法のうえで争いになりやすいと考えています。

入口の1枚が、2年後の園を守ります。




今日から園でやること3つ


  1. 来年4月の採用予定者を、12月 24日までに内定を出す人か、25日以降になる人かに分ける。これで道Aと道Bが決まります

  2. 道Aの人は施行時現職者の名簿に入れる。道Bの人は逆算カレンダーに名前と日付を入れる

  3. どちらの人にも誓約書を取り、内定通知書を新しい版にする。すでに内定を出していて誓約書がない方からは、今からでも取っておく


この3つで、4月 1日の入職を慌てずに迎えられます。

分かれ目は内定日です。12月 24日までに内定なら、施行時現職者として申請対象月に確認。25日以降なら、新規従事者として働き始める日までに確認書。どちらでも、募集要項・誓約書・内定通知書の3点は必要です。そして、法律の都合で内定の日は動かさないでください。




収録を終えて

来年の新卒採用をすでに終えられた園も、まだこれからという園もあると思います。今年は、こども性暴力防止法によって、12月 24日の前か後かで犯罪事実確認の対応が変わります。どちらがよい・悪いではありません。まず、その違いを知っていることが大事です。それによって、1月から3月の、ご本人と採用する園の側のスケジュールが変わってくるからです。

いちばんよくないのは、そのことをまったく知らずに、12月 24日と25日で分かれて採用していて、ご本人に何も伝えていない、という形です。下手をすると、何も知らないまま業務に就かせてしまうことになりかねません。

来年の4月から保育の仕事に就くことを夢見て、楽しみにしている新卒の方に、さまざまな負担をかけてしまうことになります。採用する園の側がしっかり整理して、きちんと案内していくことが、とても大事な姿勢だと思います。




「内定者が道Aと道Bに混ざっていて、整理しきれない」園長先生へ

ここまで読んで、こう思いませんでしたか。


  • うちの内定者は、もう内定を出した人と、これから選考する人が混ざっていて、どちらの道か整理しきれない

  • 逆算カレンダーは分かった。でも、規程の提出もシステムのログインも、まだ何も始まっていない

  • 誓約書も内定通知書も直した。でも、これで本当に足りているのか、だれにも見てもらっていない

  • 採用のことだけじゃない。12月の準備が全部重なっていて、順番が決められない


どれも、園長先生から実際にいただいた言葉です。そこで、3つの入り口をご用意しています。順番を決める無料面談会、書類を「作る」実務対応セミナー、作った書類を「確かめる」総点検セミナーです。




◆無料オンライン面談会◆

(30分・Zoom)

内定者を道Aと道Bに仕分けして、園の「済んだこと」「残っていること」を、12月 24日までの順番で1枚の工程表にしてお返しします。順番を決める30分だと思ってください。

受ける前

受けたあと

内定者ごとにどちらの道か、園の準備のうち何が済んで何が残っているか、自分の園に当てはめると分からない

内定者が道Aと道Bに仕分けされ、園の「済」「残り」が12月 24日までの順番で1枚の工程表になっている

▶お申し込みはこちらから




◆実務対応セミナー◆

(3時間・Zoomライブ/オンデマンド受講も可)

誓約書や規程がまだできていない園に向けて、対応準備シートに書き込みながら、園の書類を作る3時間です。

受ける前

受けたあと

ひな型を開いたまま、自園の役職名に置きかえられない。誓約書も内定通知書も規程も、どこを直せばいいか決めきれていない

採用書類の差し替え・情報管理規程の3択・報告・対応ルールが、対応準備シートの上に自園の言葉で書き上がっている

日程:2026年 11月 13日(金)/2026年 12月 3日(木)

いずれも13:10〜16:00(同じ日の夕方の総点検セミナーと続けて受講できます)

日程が合わない方は、オンデマンドでも受講できます。




◆施行直前 総点検セミナー◆

(2時間・Zoomライブ/オンデマンド受講も可)

一通りできている園に向けて、作った書類を国の監査の物差しに沿った点検票で確かめる2時間です。

受ける前

受けたあと

一通り作ったが、最新の版か・抜けがないか分からない。内定者の名簿も合っているか分からない

国の監査の物差しに沿った点検票で「済」「残り」が一覧になり、監査で見られる場所が分かっている

日程:2026年 11月 13日(金)/2026年 12月 3日(木)

いずれも17:00〜19:00日程が合わない方は、オンデマンドでも受講できます。


このほか、こども誰でも通園制度、カスタマーハラスメント対策、人事評価、園のInstagramなどのセミナーも行っています。詳しくはホームページをご覧ください。




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人財育成部 部長 太田 宏彰


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