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幼稚園教育要領の歴史と今【番外編②】意見を出せるのは11月 5日まで|保育所保育指針など3法令改定のパブリックコメント

22 分前
読了時間: 12分

まずは解説動画をご覧ください(約17分)


▲ 保育所保育指針・幼稚園教育要領・幼保連携型認定こども園教育・保育要領の改定に向けた「取りまとめ(案)」に、2026年 11月 5日まで意見を出せます。パブリックコメントとは何か、どこに意見を出せるのか、この先の日程を、一次資料の実物で確かめます。



前回の「案」が、動きました

幼稚園教育要領の歴史と今、番外編の2回目です。

前回の番外編では、2026年 8月に公表された「取りまとめ(案)」を扱いました。保育所保育指針・幼稚園教育要領・幼保連携型認定こども園教育・保育要領、この3つを一体的なものに近づける改定に向けた案です。あのとき私は、何度も「まだ案です」と申し上げました。

その案が、動きました。2026年 10月 6日から、意見募集が始まっています。締め切りは、11月 5日です。この記事をお読みいただいている時点で、あと何日あるか、ぜひ数えてみてください。



案件名

幼児教育WG・保育専門委員会取りまとめ(案)に関する御意見の募集について

受付開始

2026年 10月 6日(火)14時

締切

2026年 11月 5日(木)23時59分

案件番号

141000241

担当

こども家庭庁 成育局 成育基盤企画課

今日お話しするのは、3つです。


  1. そもそもパブリックコメントとは何か。そして今回の意見募集は、どういう種類のものか

  2. どの部分に意見を出せるのか

  3. この先、どういう日程で進むのか


3つ目は、初めて具体的な年度が見える形で出てきました。幼稚園だけ、ほかより2年早いんです。順番に見ていきます。




そもそも、パブリックコメントとは

まず、ミニ解説からいきます。パブリックコメントとは、国が決まりをつくるときに、案の段階で広く意見を聞く仕組みのことです。日本語では「意見公募」と言います。

園のお仕事にたとえてみます。重要事項説明書を作り直すとき、できあがったものをいきなり配るのではなく、まず案を保護者会で配って「ご意見ください」と言いますよね。あれの、国の版だと思ってください。


今回は「任意の意見募集」

ところが今回は、ここに但し書きがあります。e-Govの案件ページの「行政手続法に基づく手続か」という欄です。


任意の意見募集

そして、根拠となる法令の欄は空欄になっています。

これはどういうことかというと、法律で義務付けられた意見募集ではなく、役所が自主的に、早めに聞いてくれている段階だということです。これは悪い話ではありません。むしろ、告示の形が固まる前に聞いてくれている、ということですから。


意見を出せる機会は、おそらく2回

そして、ここが大事なところです。告示の案そのものに対する意見募集は、このあと改めて行われるものと考えられます。つまり、意見を出せる機会は、おそらく2回あります。


対象

時期

① いま

取りまとめ(案)への意見

2026年 10月 6日〜11月 5日

② このあと

告示の案への意見

時期は示されていません

ただし、2回目があると決まっているわけではありません。「任意の意見募集」という表記から、そう読めるというだけです。1回で終わる可能性もないとは言えません。ですから、出せるときに出しておく。 私はそう考えています。




保育所保育指針の改定案、どこにパブリックコメントを出せるのか

意見募集の対象になっているのは、「幼児教育WG・保育専門委員会 取りまとめ(案)」そのものです。この取りまとめ(案)は、9つの章でできています。

章

章名

第1章

現行の成果・課題を踏まえた改善の方向性

第2章

資質・能力の在り方、構造化のポイント

第3章

内容の改善の在り方

第4章

指導・評価の改善充実の在り方

第5章

保育所及び幼保連携型認定こども園における養護等の改善充実の在り方

第6章

特別な配慮を必要とする乳幼児への指導や支援の改善充実の在り方

第7章

幼児教育と小学校教育との円滑な接続の在り方

第8章

家庭や地域との連携・支援の在り方

第9章

各幼稚園・保育所・認定こども園の幼児教育を支える地域の体制の在り方

先に1つ、お伝えしておきます。この案の中身は、前回の番外編で扱った8月の版と同じです。私のほうで原文を照らし合わせましたが、変わっていませんでした。ですから、前回の番外編は、訂正なしでそのままご覧いただけます。


園として書きやすいのは、第5章と第7章

では、園としてどの章が書きやすいか。私の見立てでは、第5章と第7章です。

第5章は、養護です。 この案には、現行の養護に関するねらい及び内容が、乳児保育に関わるねらい及び内容と重複している、と書かれています。重複していて困った、という経験は、現場にしかありません。どの場面で、どちらを見ればいいか迷ったのか。それは、書類を書いている人にしか書けない、具体的なお話です。

そして第7章は、小学校との接続です。 「対話のための資料」という新しい言葉が出てきていますが、様式も分量も、まだ示されていません。形が決まる前の今だからこそ、言えることがあると思います。

家を建てるときの打ち合わせにたとえますね。図面を引く前なら、「ここに窓がほしい」という声が通ります。ただ、建ってしまってからでは、壁は動かせません。今は、図面を引く前の段階なんです。




この先の日程|スケジュール表の実物を読む

ここからが、今日いちばんお伝えしたいところです。文部科学省が出している「学習指導要領等の改訂に関するスケジュール(イメージ)」という資料です。令和7年、西暦で言うと2025年の12月 16日のものです。令和7年度から令和19年度まで、13年分の帯が並んでいます。今日は、そのうち必要なところだけを取り出しました。


答申は、2026年度中

まず、答申です。資料には、令和8年度中に答申を取りまとめると書かれています。令和8年度中、つまり西暦で言うと2026年度中。ということは、来年の3月まで。もうそこまで来ているということですね。

ここでミニ解説です。答申とは、大臣から「どうしたらよいでしょうか」と尋ねられた審議会が、「こうするのがよいと考えます」と文書で返すことです。この答申をもとに、告示が出ます。

表をよく見ると、答申のすぐ右に、「改訂」と書かれた縦の帯があります。そして、幼稚園の行では、令和9年度、2027年度の欄が「周知」になっています。周知とは、新しい要領を知らせて、準備をする期間のことです。


幼稚園は2028年度から、小学校より2年早い

そして、ここからが本題です。新しい要領は、いつから使うのか。必要なところだけ取り出して、西暦で並べました。


全面実施(イメージ)

幼稚園

2028年度〜(令和10年度)

小学校

2030年度〜(令和12年度)

中学校

2031年度〜(令和13年度)

高等学校

2032年度の入学生から順次、2034年度に全面実施(令和14年度〜令和16年度)

お気づきでしょうか。幼稚園だけ、小学校より2年早いんです。

なぜなのか。これは、教科書です。小学校・中学校・高等学校は、学習指導要領が告示されたあと、やることが山ほどあります。教科書を書き直して、国の検定を受けて、各地で採択して、印刷して、学校に届ける。この工程に何年もかかります。幼稚園には、その工程がありません。実際、この表の幼稚園の行には、教科書に関する帯がそもそも入っていないんですね。

給食にたとえてみます。献立の方針が変わったとき、食材の仕入れ先から契約をやり直さないといけないところは、どうしても時間がかかりますよね。手元にある材料で、明日から作り方を変えられるところは、先に動けます。

幼稚園が早いのは、準備が軽いからではありません。あいだに挟まる工程が少ないからなんです。


決まった日程ではありません

ここで、はっきり申し上げておきます。この表のタイトルには「イメージ」と書かれています。そして注記には、こう書いてあります。


前回改訂と同様のスケジュールと仮定した場合であり、今後変更の可能性がありうる。

決まった日程ではない、ということです。

そしてもう1つ。これは文部科学省の表です。保育所保育指針がいつから適用されるのかは、この表には入っていません。3つの法令を一体的に近づける議論ですから、同じ時期になる可能性はあります。ただ、そう書かれた資料を、私はまだ見つけていません。確かめられたら、改めてお伝えします。




パブリックコメントの出し方は、3通り

では、どうやって出すのか。こども家庭庁の意見公募要領には、こう書かれています。


御意見は理由を付して、次に掲げるいずれかの方法により提出してください(様式は自由)。その際、件名に「幼児教育WG・保育専門委員会取りまとめ(案)に関する意見」と明記して御提出ください。電話での受付はできませんので御了承ください。

方法


①

e-Govの入力フォーム

案件ページの「意見入力へ」ボタンから。推奨されている方法です

②

電子メール

seiikukiban.hourei2(アットマーク)cfa.go.jp / 10MBまで

③

郵送

〒100-6003 東京都千代田区霞が関3-2-5 霞が関ビルディング21階

件名は、この言葉をそのまま書くよう指定されています。


幼児教育WG・保育専門委員会取りまとめ(案)に関する意見

そのほかの決まりごとも押さえておきましょう。


  • 個人の方は氏名・住所・連絡先を、法人の場合は法人名・所在地・連絡先を書きます

  • 氏名・住所・連絡先以外は、公表されることがあります

  • 個別の回答はありません

  • 電子メールは10MBまで。ウイルス対策の観点から、e-Govの入力フォームを使うことがすすめられています


何を書くか|1つだけ型をお伝えします

いちばん困るのは、何を書くか、だと思います。1つだけ型をお伝えしますね。

「反対です」だけでは、読む側も動きようがありません。そうではなく、こう書きます。


  1. 第◯章について

  2. こう書かれているが、現場ではこういうことが起きている

  3. だから、こう直してはどうか


この3つが並んでいれば、意見としては十分です。

そして、真ん中の「現場ではこういうことが起きている」。ここは、園の日誌や週案に、すでに書いてあることです。新しく考える必要はありません。

「そんな時間はない」。本当にそうだと思います。毎日の保育をしながら、国の資料を読んで意見を書く。簡単なことではありませんよね。ですから、1行でもいいんです。理由が1つあれば、それは意見として受け付けられます。


文部科学省も、同じ11月 5日まで

もう1つお伝えしておきます。文部科学省も、同じ11月 5日まで、「次期学習指導要領等に向けた審議まとめ」の意見募集をしています。案件番号は185001511です。こちらにも、幼児教育に関する部分が含まれています。2つの役所に分かれていますので、気になる方は両方をご覧ください。




今日のまとめ


  1. 2026年 10月 6日から11月 5日まで、取りまとめ(案)に意見が出せます。ただし、法律に基づく手続きではなく、「任意の意見募集」とされています

  2. 中身は8月の版と同じです。前回の番外編は、訂正なしでそのままご覧いただけます

  3. 答申は2026年度中(令和8年度中)。幼稚園は2028年度(令和10年度)から全面実施というイメージが示されています。小学校より2年早く、理由は教科書の工程がないからです


どれもまだ、案とイメージの段階です。研修でお使いいただくときは、そこを必ず添えていただければと思います。

この案の中身そのものは前回の番外編で、この議論の本編は第17回「2027年、遊びが深まる」で、シリーズ全体の流れは第18回の総集編で解説しています。150年の歴史をはじめから読みたい方は、シリーズの第1回からどうぞ。




収録を終えて

11月 5日まで、まだ時間があります。解説の動画や実際の案をご覧いただいて、現場の実態を踏まえて気になるところがあれば、ぜひ意見を出していただければと思います。

私も今、どんなことを書こうか考えています。もし「こんなことを書こうと思っている」という下書きがあれば、動画のコメント欄にお寄せください。私からも、少し意見を述べさせていただければと思います。



主な参考資料


  • 幼児教育WG・保育専門委員会取りまとめ(案)に関する御意見の募集について(こども家庭庁 2026年 10月 6日):e-Gov 案件ページ

  • 学習指導要領等の改訂に関するスケジュール(イメージ)(文部科学省 2025年 12月 16日):PDF

  • 幼児教育WG・保育専門委員会 取りまとめ(案)※会議後修正(2026年 8月 4日):PDF

※ この記事は、制度をわかりやすくお伝えするための解説です。正確な内容は、文部科学省・こども家庭庁の公表資料、各告示・要領の原文をご確認ください。




「改定に向けて、園として何を準備すればいいのか分からない」園長・主任の先生へ

3つの要領と指針は、もう一度より一体的なものへ近づこうとしています。幼稚園は2028年度から全面実施というイメージも示されました。

ただ、改定の中身を、職員それぞれが自分の保育の言葉で受け止められていないと、新しい要領や指針が出たときに「何が変わったのか」を園の中で説明できません。意見を書こうとしても、「現場で起きていること」を言葉にする手がかりがないまま、手が止まってしまいます。

すずらんチャイルドケアの保育士等キャリアアップ研修は、オンデマンドの講義と、全国の保育者と語り合うZoomの交流を組み合わせた研修です。

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そのほかのセミナー・研修


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2026年 12月 25日の施行に向けて、規程・犯罪事実確認・研修など、園がやることを抜けなくそろえるための講座です。

日程:2026年 11月 13日(金)/12月 3日(木)

(Zoom・同じ日の午後に実務対応、夕方に総点検)




処遇改善等加算セミナー(ライブ講座・オンデマンド講座)

超基礎から配分計画、人事院勧告分、実績報告、加算活用で経営改善、年度途中の管理まで、分野別に学べます。




不適切保育を防ぐための 気付きを促す導き方セミナー

保育所保育指針を判断の土台にして、職員の気づきを促す伝え方を学びます。

日程:2026年 11月 7日(土)/2027年 1月 30日(土)

いずれも13:15〜16:30(Zoom)

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不適切保育防止・メンタルヘルスケア 団体研修(園内研修)

園の職員の皆さんで受けていただく研修です。東京都の補助事業を活用できる場合があります。




このほか、こども誰でも通園制度、カスタマーハラスメント対策、人事評価、園のInstagramなどのセミナーも行っています。詳しくはホームページをご覧ください。




お問い合わせ


特定非営利活動法人 すずらんチャイルドケア

人財育成部 部長 太田 宏彰


〒250-0862 神奈川県小田原市成田475-17 ゼフィールU201

TEL 0465-87-7649




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