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令和9年度の概算要求が公表されました|総額7兆7,436億円の中身を速報で

  • 2 日前
  • 読了時間: 10分

まずは解説動画をご覧ください(約15分)


▲ 令和9年度概算要求を、園長先生・理事長先生の目線で速報解説



令和9年度 概算要求まるごと解説セミナー




本日8月31日、こども家庭庁から令和9年度の概算要求が正式に公表されました。

総額は7兆7,436億円です。

今日はこの中身を、保育園・こども園の理事長先生・園長先生の目線で、速報として解説します。

前回の記事で「予算が決まるまでの1年」のお話をしましたが、今日はその続きです。いよいよ本番です。




まず前回のおさらいから


時期

何が起きるか

8月末

概算要求 ← 本日ここに来ました

財務省の査定

12月下旬

予算案の決定

年明け

国会審議・成立

4月

施行。園に届く


表のいちばん上をご覧ください。8月末の概算要求。まさに本日、ここに来ました。

つまり、今日お話しする内容は、1年リレーのスタート地点の情報です。ゴールではありません。

この先、財務省の査定があって、12月下旬に予算案が決まって、国会を通って、そして来年4月に園に届いていきます。

ですから今日の数字は、確定ではなく要求です。

ここを押さえた上で、中身を見ていきましょう。

はじめての方は、前回の解説記事を先にお読みいただくと、より分かりやすいと思います。




概算要求の全体像


区分

金額

総額

7兆7,436億円

一般会計

4兆4,896億円

こども・子育て支援特別会計

3兆2,540億円

令和8年度予算との差

+2,480億円


ここで特別会計という言葉のミニ解説をしますね。

特別会計とは、使い道を限定して、普段のお財布とは別に管理するお金のことです。

園で言えば、行事の積立金を運営費の口座と分けて管理する、あの感覚に近いですね。育児休業の給付金などは、この特別会計のお財布から出ています。

国のお財布は2つある。 そうとだけ覚えておいてください。




ここで面白いことが起きています

8月20日の事前報道では、約7.8兆円、前年度の要求より約3,200億円増と伝えられていました。

本日の確定値は7兆7,436億円で、公式資料にはプラス2,480億円と書かれています。

あれ、増えた額が違いませんか。

実は、どちらも正しいんです。



何と比べているか

報道の+3,200億円

昨年の概算要求と比べている

公式資料の+2,480億円

今年の予算額と比べている


比較の相手が違うだけなんですね。

園でもよくありますよね。「園児が増えた」というときに、去年の4月と比べているのか、先月と比べているのか。 あれと同じです。

数字のニュースを見るときは、「何と比べた数字なのか」を必ず確認する。これが今日1つ目の学びです。




5つの柱|保育はどこに入っているか

今年は5つの柱で組まれています。上から順に読みますね。


金額

主な中身

①「こどもまんなか社会」を実現する基盤の確保

3兆7,207億円

児童手当2兆663億円を含む

② 地域一体で「こどもの命と安全を徹底的に守る」支援の強化

1,166億円

自殺対策、性暴力防止法の運用

③ 若者が希望を持ち、主体的に人生を選択できる環境の整備

42億円

④ 誰もが安心して妊娠・出産・子育てができる環境の整備

2兆7,167億円

保育・子育て支援の中核はここ

⑤ 困難な状況にあるこども・家庭への支援の充実

9,111億円


柱の名前は毎年少しずつ変わります。 ですので、「どの柱に保育が入っているか」を探す読み方を覚えておくと、来年も使えますよ。




お金の使い道|いちばん大きいのは園に関わるお金です

金額の大きい順に並べます。

  1. 保育所や放課後児童クラブの運営費など …… 約2兆6,700億円

  2. 児童手当 …… 約2兆700億円

  3. 育児休業等給付 …… 約1兆1,300億円

つまり、こども家庭庁の予算のいちばん大きな部分は、皆さんの園に関わるお金なんですね。

SNSでは「こども家庭庁の予算は無駄だ」という声も流れてきますが、中身を見ると、大半は園の運営費や児童手当のような、家庭と現場に直接届くお金です。

一次資料を見ると、こういうことが自分の目で確認できるようになります。




チェックポイント①|処遇改善は今年も事項要求でした

ここからが本題。園長先生のチェックポイントです。

まず、いちばん気になる処遇改善

結論から言うと、今年も金額は書かれていませんでした。

事項要求という言葉、前回のミニ解説を覚えていますか。「この項目にお金が必要です。ただし金額は年末の予算編成の中で決めます」という要求の仕方でしたね。

資料の原文を読みます。


幼児教育・保育の無償化等について予算編成過程において検討する。あわせて、こども未来戦略に基づき、民間給与動向等を踏まえたさらなる処遇改善を進める

「進める」とは書いてあります。でも、何パーセントとはどこにも書いてありません。

園で言えば——「来年度の昇給はあります」と職員に伝えたけれど、額は冬のボーナスの時期に決めます、という状態です。

ですから、SNSで「来年の処遇改善は何%らしい」という数字を見かけても、今の時点では誰にも分からないが正解です。

答えは12月になります。




チェックポイント②|事項要求の顔ぶれが入れ替わりました

その事項要求の顔ぶれです。去年と今年を見比べてください。


令和8年度の概算要求

令和9年度の概算要求

幼児教育・保育の支援

0歳を含む幼児教育・保育の支援

物価高騰対策

令和9年度の障害福祉サービス等報酬改定など

性暴力防止法への対応

物価高対策と性暴力防止法は、事項要求を卒業して金額がつきました。

そして新しい顔ぶれが、障害福祉の報酬改定です。

3年に一度の改定の年にあたりますので、障害児保育や児童発達支援に関わる園は、この行方を年末までウォッチしておいてください。

前回もお伝えしたとおりです。事項要求は「後回し」ではなく、「大事すぎて夏には決めきれないテーマ」の置き場なんですね。

0歳児の保育支援がここにあるということは、無償化の対象拡大の議論が年末の主戦場になるというサインでもあります。




チェックポイント③|こども性暴力防止法に45億円がつきました

3つ目は、こども性暴力防止法、いわゆる日本版DBSです。




昨年の概算要求

事項要求(金額なし)

今年

円滑かつ確実な運用として45億円を計上


前回の記事で「事項要求は翌年に金額になって現れる」とお話ししましたが、まさにそのプロセスが目の前で起きたわけです。

園にとっての意味は明確です。

国が運用の予算を本格的に積んだということは、施行に向けた本格整備が待ったなしのペースに入ったということです。

従事者研修や園内の体制づくり。まだ手をつけていない園は、この秋から動き始めることをおすすめいたします。




チェックポイント④|新規・拡充の注目4つ


項目

金額

区分

新しい保育所保育指針の円滑な実施に向けた環境の整備

3億円

新規

保育人材の確保を含む枠

2,921億円

拡充

保育ICTの推進

130億円

放課後児童クラブ等

1,347億円

当初化


新しい保育所保育指針。 金額は小さいですが、新指針への対応が国の予算に乗ったというのは、現場の研修や準備がいよいよ動き出すサインです。

保育人材の確保。 人材確保策の本丸ですので、中身は次回の深掘り記事で詳しくやっていきます。

保育ICTの推進。 請求や監査まわりのデジタル化が進んでいきます。

放課後児童クラブ等。 ここには**「当初化」というタグ**がついています。

ここでミニ解説です。当初化とは、これまで補正予算——つまり年度途中の一時金のような形でついていたお金を、当初予算という毎年の本体に組み込むことです。

園の給与で言えば、毎年出るか分からなかった一時金が、毎月の基本給に組み込まれるイメージですね。予算の安定度が一段上がる、良い変化です。




チェックポイント⑤|130億円の見直し、中身を見てください

冒頭でも話題になった約130億円の見直しです。中身を見てみましょう。


内容

金額

単発のイベントや広報の委託費

4.4億円

地域少子化対策重点推進交付金

(効果検証が十分でないとされたもの/新しい事業への統合)

87億円

相談支援事業の統合

1.5億円

執行率が低い事業の縮小

34億円


園長先生にいちばんお伝えしたいのは——

この中に、保育所の運営費や処遇改善、園向けの補助金は入っていないということです。

「130億円カット」という見出しだけ見ると不安になりますが、中身は主にイベントの委託費や、自治体向けの交付金の再編です。

見出しではなく、中身で判断する。今日は何度も出てくるポイントですね。




チェックポイント⑥|「全部見える化」は園の実務に関わります

最後は少し未来の話です。

こども家庭庁は、令和9年度に「全事業の予算の使い道を、最終的な支出先までネットで全部公開する」という全部見える化を掲げました。

園で言えば、保護者向けに収支報告を開示する、あの取り組みの国家版だとイメージしてください。

そしてセットで、自治体の交付申請や実績報告を電子化・統一化して、事務負担を軽くする方針も出ています。

ここが実は、園の実務に関わってきます。

補助金の実績報告の様式や提出方法が、今後変わっていく可能性があるということです。

処遇改善の実績報告で毎年ご苦労されている先生方には、朗報になるかもしれません。 動きが具体化したら、この記事シリーズで必ずお伝えします。




今日の心得は3つです

1つ目。今日の数字はすべて要求であって、確定ではありません。 答え合わせは12月末の予算案です。

2つ目。処遇改善や無償化といった保育の核心は、今年も事項要求です。 「来年度は何%らしい」という数字がSNSで流れても、今の時点では誰にも分かりませんから、振り回されないでください。

3つ目。見出しではなく中身、そして一次資料で判断することです。 130億円カットも、中身を見れば園の補助金は対象外だと冷静に読めましたよね。

この3つを押さえていけば、年末までの予算ニュースは安心して眺めていられます。




次回から深掘りシリーズを3本お届けします

今日は公表されたばかりの令和9年度概算要求を、速報でお届けしました。

ここからは深掘りシリーズを3本、順にお届けします。

  1. 処遇改善と公定価格 …… 事項要求の読み解き方

  2. こども性暴力防止法(45億円)と新しい保育所保育指針

  3. 保育と全部見える化 …… 園の事務実務への影響




令和9年度 概算要求まるごと解説セミナー

本日は「概算要求に何が書いてあるか」を速報でお話ししました。

ただ、理事長先生・園長先生が本当に知りたいのは、この先ですよね。

なぜこの項目が出てきたのか。 そして予算案が可決されたときに、自園は来年4月までに何を準備すればいいのか。

そこで**「令和9年度 概算要求まるごと解説セミナー」**を開催いたします。

100分間で、各項目の**「なぜ」を過去に遡って解説し、後半では自園準備チェックシート**を使って、皆さんの園の準備に落とし込むワークを行います。

ライブでご参加の方は、当日その場でご質問いただけます。 ワークの共有を通じて、他の園の先生との交流もできます。

日程(各回とも同じ内容です)


開催日

曜日

時間

9月16日

10:10〜12:00

10月15日

10:10〜12:00

11月17日

10:10〜12:00

12月15日

10:10〜12:00


ライブに来られない方は、オンデマンド視聴のみも選べます。




受講料

9,900円(税込)

特典

自園準備チェックシート(Excel)/30分の無料個別相談


今日の内容、正直に申し上げて難しかったと思います。だからこそ、どの形式でお申し込みいただいても、オンデマンドで何度でも見返せるようにしました。




ご利用にあたって

・複数施設でのご利用をご希望の場合は、施設数分のお申込みをお願いいたします。

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人財育成部 部長 太田 宏彰

〒250-0862 神奈川県小田原市成田475-17 ゼフィールU201

TEL 0465-87-7649




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