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概算要求が動き始めました|こども家庭庁の予算が決まるまでの1年

  • 11 分前
  • 読了時間: 10分

まずは解説動画をご覧ください(約15分)


▲ 概算要求から予算成立まで、8か月余りの流れを1枚の地図に


こども家庭庁の予算解説シリーズ・第1話です。

いま報道で、こども家庭庁の予算案が財務省に提出されたと伝えられています。令和9年度(2027年度)の概算要求がスタートしているようです。


まだこども家庭庁からの正式発表はありません。ですが、その源流にあたる概算要求で、予算がどう成立していくのか。おそらく8月末に正式な資料が公表されますので、その前にお話ししておきたいと思いました。


この記事は、あるニュースが出る直前だからこそお届けしたい内容なんですね。最後までお読みいただくと、これから流れてくる予算のニュースが、まったく違って見えるようになります。




正直、身構えてしまいますよね


予算とか概算要求とか、言葉を聞いただけでちょっと身構えてしまいますよね。

ニュースで「何兆円」という数字が飛び交っても、自分とどう繋がっているのか、なかなかピンとこないところがあるかと思います。


私も最初はそうでした。 だから今日は、難しい話は一切しません。

先に1つだけ前提を共有させてください。保育園や幼稚園、こども園に関わる国の予算は、こども家庭庁という役所が担当しております。今日お話しするのは、このこども家庭庁の予算が決まるまでの流れです。


目指すのは3つです。

  1. こども家庭庁の予算が決まるまでの1年の流れを地図として持ち帰る

  2. 概算要求と予算の違いをはっきり区別できるようになる

  3. この夏から年末にかけて流れてくるニュースを慌てず正しく読めるようになる




まず、今の状況から確認しましょう



皆様の園には、毎月、市町村を通じて運営のためのお金が入ってきますよね。認可保育園やこども園で言えば給付費と呼ばれるお金です。


この給付費の計算の元になっているのが公定価格です。


ここで用語のミニ解説をしますね。公定価格とは、国が定める、いわば保育の値段表のことです。こどもお1人をお預かりするのに月いくらかかるのか。それを地域や年齢や園の規模ごとに、国が単価として決めています。


では、その公定価格のお金や処遇改善等加算のお金は、大元をたどるとどこから出ているのか。


この行き着く先が国の予算、具体的にはこども家庭庁の令和8年度予算なんですね。

つまり、皆さんの園の毎月の収入は、こども家庭庁の予算が土台になっているということなんです。




質問です|令和8年度の予算、いつ決まったと思いますか



ここまで整理した上で質問です。

このこども家庭庁の令和8年度の予算、いつ決まったと思いますか。

今年の4月でしょうか。

いえいえ、違うんです。


今皆さんが使っている令和8年度の予算のスタート地点は、令和7年の8月末。つまり1年前の今頃なんですね。


約1年前からです。そこから財務省とのやり取りをして、年末に予算案を決定して、年明けの国会審議という道のりを経て、ようやく今年4月に皆さんの園に届いていくという形なんです。


予算というのは、施行のほぼ1年前から動き出している長い道のりなんですね。

そして大事なのはここです。ちょうど今、来年——令和9年度(2027年度)分の同じ道のりの第1歩がスタートしようとしているんですね。


だからこそ、今このタイミングで流れを知っておいてほしいと思っています。




予算が決まるまでの1年カレンダー

これが今日いちばん大事な表です。令和8年度予算の実際の日付で並べています。


時期

何が起きるか

8月末

概算要求(令和8年度分は令和7年8月29日に公表)

財務省の査定が続く

12月24日

大臣折衝

12月26日

政府予算案の決定

年明け

通常国会で審議

年度内

成立

4月

施行。つまり園に届く

この1本の流れを、1ステップずつ見ていきます。




ステップ1|概算要求とは「見積もり依頼」の段階です



まず概算要求という言葉。ミニ解説します。

概算要求とは、各省庁が財務省に対して「来年度これだけのお金が必要です」と申請する、いわば注文の下書きです。


こども家庭庁は令和8年度分として、昨年8月29日に7兆4,229億円を要求しました。前年度から959億円の増額です。


ここで大事なのは——これはあくまで「要求」。つまり「欲しいです」という意思表示であって、もらえることが決まったわけではありません。

お店で言えば、まだ正式発注ではなく、見積もり依頼の段階なんですね。




ステップ2|秋から年末にかけての査定



8月末に要求が出た後、秋から年末にかけて、財務省が「本当にこの金額は必要なのか」と査定していきます。


ここで金額が削られたり、逆に政権の方針で上積みされたりします。

そして12月下旬、こども家庭庁の大臣と財務大臣が直接交渉する大臣折衝を経て、政府としての予算案が決定します。


令和8年度分は12月26日に決定して、金額は7兆4,956億円になりました。前年度の7兆3,270億円から1,686億円の増額です。


要求額の7兆4,229億円から、変わっていますよね。 ここは大事なところなので、後で詳しくご説明します。




ステップ3|予算案が決まっても、まだ終わりません



予算案が決まったら終わりではありません。

年明けの通常国会で審議されて、可決されて、そして初めて予算として成立します。 ここまで来て、ようやく確定です。


そして4月、新年度の公定価格や加算として皆さんの園に届く、というわけです。

8月の概算要求から数えて、8か月余りの道のりでした。




混同しやすいポイント|補正予算は別物です

ここで、園長先生がいちばん混同しやすいポイントをお話しします。

補正予算という言葉。これ、11月や12月のニュースでよく聞きますよね。

これは今お話しした流れとは別物です。



当初予算

補正予算

何のお金か

来年度のお金を決める

今年度のお金を年度の途中で追加する

今日説明した流れ

これ

別のルート

令和7年度の例

令和7年11月28日に成立


つまり12月には、「今年度の補正」と「来年度の予算案」のニュースが、ほぼ同時期に流れているんですね。


ここを混ぜてしまうと訳が分からなくなります。補正は今年度の追加。当初予算は来年度の本体。 そう区別して覚えていってください。




ここからが今日の核心|要求と予算は同じではありません



概算要求で出た内容と、最終的な予算。これは同じではありません。

違い方には3つのパターンがあります。1つずつ、令和8年度の実例で見ていきましょう。


パターン1|金額が変わる


令和8年度のこども家庭庁予算は、8月の概算要求では7兆4,229億円でした。

これが12月の予算案では7兆4,956億円になっています。

つまり概算要求より増えていますよね。


「査定で削られるんじゃないの」と思った方、鋭いです。 削られる部分もあれば、編成過程で新たに積まれる部分もあるんです。だから増えることもあります。

項目レベルの実例も1つ挙げますね。


第3の柱の中の**「保育の質の向上等」という項目は、8月の時点で1兆9,141億円+事項要求としていました。それが12月の予算案では、事項要求だった処遇改善の858億円**などが上積みされています。


総額だけではなく、項目の中身もこうして動くんですね。

この理由が、次のパターンに繋がっていきます。


パターン2|事項要求


これが保育業界にとって、いちばん大事なところです。

事項要求という言葉。ミニ解説します。


事項要求とは、「この項目にお金が必要です。ただし金額は今は書きません。年末の予算編成の中で決めます」という要求の仕方です。


実は令和8年度の概算要求では、次のテーマが事項要求扱いでした。


  • 幼児教育・保育の支援

  • 物価高対策

  • こども性暴力防止法の施行への対応


私たちにいちばん関係の深いテーマばかりですよね。

正確に言うと、保育の運営費そのものは要求に入っていました。ですが、処遇改善の増額改定分がいくらになるかは、8月の要求書には書かれていなかったんですね。


パターン3|削られる・通らない


要求はあくまで要求ですから、査定の過程で減額されたり、事業として認められなかったりするものも当然あります。

だから夏のニュースで「◯◯に△△億円へ要求へ」という見出しを見ても、それが実現するかは年末までは分かりません。


「要求=決定」と読んでしまうのが、いちばんよくある誤りです。




今日の地図はこれで全部です



もう一度整理します。

8月末に概算要求 → 秋に査定 → 12月下旬に大臣折衝と予算案決定 → 年明けの国会で審議・成立 → 4月に施行。

そして概算要求と予算の間には、「金額の変化」「事項要求」「削減」という3つの差が生まれます。




冒頭の伏線を回収します



実は報道機関では、こども家庭庁が令和9年度(2027年度)の概算要求を約7.8兆円、こども家庭庁ができてから最大の規模で調整していると伝えられています。

こどもの自殺対策の強化や、SNSを利用する環境の整備などを盛り込む方向だと言われています。


ただ、これはあくまで報道段階の情報です。 例年通りなら8月末頃に正式な資料が公表される見込みですので、こども家庭庁から正式に発表があったら、また詳しく解説しますね。




ここで今日の学びの出番です


そのニュースを見たとき、皆さんはもう分かりますよね。

これは1年の道のりのスタート地点であって、確定ではありません。

保育に直結する部分は、事項要求かもしれません。

本当の答え合わせは12月です。


でも、この読み方ができれば、SNSでどんな情報が流れてきても慌てる必要はありません。


令和9年度の概算要求が正式に公表されたら、その中身を今日の地図の上に載せて解説する記事をお届けする予定です。そのときは「これはまた要求段階。ここからどう変わるかを一緒に見守りましょう」という視点でご覧いただけるはずです。




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8月末が提出の締め切りです。いよいよ来週、本当に山場を迎えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。


すずらんでは実績報告書の作成支援を行っております。

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経営情報の報告についても8月末までとなっているかと思いますので、あわせてお声がけください。



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このシリーズについて


保育にはお金の流れがあります。その大元の動きをできるだけ分かりやすく解説して、「こういう風に動いていくんだな」と早めに察して動いていけるように、一緒に学んでいければと思っています。


このシリーズは、最新情報が来たら配信していく形にしてまいります。国の資料は頻繁に更新されますので、見落としを防ぐために、よろしければチャンネル登録をしておいてください。



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