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こども性暴力防止法【Q&A編②】情報管理と退職時の手続き|園からいただいた5つのご質問に国の資料で答えます

5 分前
読了時間: 13分

まずは解説動画をご覧ください(約22分)


▲私たち すずらんチャイルドケア 人財育成部に、園の先生方から実際にいただいたご質問を、国の資料で確かめた答えとともにご紹介します。

こども性暴力防止法について、園の先生方から実際にいただいたご質問を、国の資料で確かめた答えと一緒にご紹介するシリーズの2回目です。園のお名前などは伏せて、ご質問の中身だけをお届けします(1回目の相談窓口と報告・対応ルールは、Q&A編①で解説しています)。




今回のテーマ:情報管理と退職時の手続き

今回取り上げるご質問は、この5つです。


  1. 情報管理規程を作って、そのとおりに進めれば、犯罪事実確認は済むのですか

  2. 紙で残さないと決めたら、記録はこまもろうシステムの中に残るのですか

  3. 確認結果を扱う人は、園長先生お一人でよいのですか

  4. 職員が退職したら、システムの中で破棄するのですか

  5. 「退職が決まったら責任者に伝わる」流れは、どの書類に入れればよいですか


情報管理規程は、前回お話しした報告・対応ルール、相談体制と並んで、施行の時点で「ない」こと自体が法違反になる3つのうちの1つです。そして、職員が退職したときの手続きには、期限と罰則があります。答えの根拠は、すべて国の資料です。




ご質問に入る前に:そろえておきたい3つの土台


土台①「犯罪事実確認」と「情報管理措置」は別の義務

まず、こども家庭庁の「義務事業者用 準備ガイド Ver.1.2」2ページです。


施行後は3年以内に現職者の性犯罪前科の確認が必要であり、そのための手続き(戸籍等の登録等)が必要となります。 (こども家庭庁「義務事業者用 準備ガイド Ver.1.2」2ページ)

これが犯罪事実確認です。施行後、こまもろうシステムを通じて、職員一人ひとりに性犯罪の前科がないかを国に確かめてもらう手続きです。

一方、こども家庭庁の「こども性暴力防止法に関するQ&A」基礎編8-2によると、情報管理措置として講じなければならないのは、管理責任者の設置、情報管理規程の策定、そして規程を守ることです。準備ガイドもQ&Aも、こども家庭庁ホームページの「こども性暴力防止法」のページに置かれています。

義務

中身

犯罪事実確認

施行後、こまもろうシステムで職員一人ひとりの性犯罪前科を国に確かめる手続き(現職者は施行後3年以内)

情報管理措置

管理責任者を置く・情報管理規程を作る・規程を守る


土台②「犯罪事実確認記録等」とは:「白」「黒」のメモも当たる

2つ目は、情報管理の対象になる「犯罪事実確認記録等」とは何か、です。Q&A基礎編8-1によると、次の2つがあります。


  1. 犯罪事実確認書:こども家庭庁から園に交付される書面。職員ごとに、性犯罪の前科があるかないかが書かれている

  2. 犯罪事実確認記録:確認書に書かれた情報を、ほかの紙や電子媒体に写したもの


そして、Q&A基礎編8-1には、前科の有無を「黒」「白」と表すようなものも、確認書の内容と同じ意味であり、犯罪事実確認記録に当たる、と書かれています。この一点が、あとのご質問に効いてきます。


土台③ 情報管理規程の3つのひな型

3つ目は、情報管理規程の3つのひな型です。準備ガイド Ver.1.2の13ページで、ひな型は2つの物差しで分かれています。確認書を見るのが責任者一人か複数名か、そして、こまもろうシステムの外にも記録を残すかどうか、です。

ひな型

見る人

記録

ひな型①

責任者一人

システムの上だけ

ひな型②

責任者を含む複数名

システムの上だけ

ひな型③

責任者を含む複数名

システムの外にも記録・保存する

同じページには、情報管理の7つの基本原則が並んでいて、その1番目が「犯罪事実確認記録等の取扱者は必要最小限とすること」です。この原則も、あとで使います。




ご質問1:情報管理規程を作れば、犯罪事実確認は済むのですか

規程づくりにかなりの時間を使った園ほど、「これで一段落」と思いたくなりますよね。


答え:済みません。別の義務です

土台①のとおり、2つは別々の義務です。たとえると、犯罪事実確認は金庫に入れる書類を取り寄せる手続き。情報管理規程は、その金庫の鍵を誰が持ち、どう開け閉めするかの決まりです。金庫の決まりがどれだけ立派でも、書類を取り寄せなければ、中は空のままです。

では、取り寄せる手続きのほうは、いつ、何が必要になるのか。


  • 今働いている職員の犯罪事実確認は、施行後3年以内。戸籍などの登録が必要(準備ガイド Ver.1.2 2ページ)

  • こまもろうシステムの利用には、原則としてマイナンバーカードを使う。ログインのときの本人確認と、職員の戸籍の情報を取るために使う(Q&A 応用編8-17)

  • マイナンバーカードを使っても、園が職員の個人番号を知ることにはならない(Q&A 応用編8-17)


たとえば、規程はできた。でも、職員の誰がマイナンバーカードを持っていないかは、まだ誰も知らない。そんな園は、規程とは別に、手続きの準備を始める必要があります。




ご質問2:紙で残さないと決めたら、記録はこまもろうシステムの中に残るのですか

ひな型①や②を選んだ園から、よくいただくご質問です。紙に残さないなら、「確認した」という事実はどこにあるのか、不安になりますよね。


答え:はい、システムの中にあります。ただし「白」「黒」のメモも記録です

こども性暴力防止法施行ガイドラインの253ページ、図表79の考え方はこうです。こまもろうシステムにログインすれば、決まった期限の間は、いつでも何度でも確認書を見られる。だから、写して紙やファイルに残すことは、できるだけしない。ひな型①と②は、この考え方に立っています。

ここで、土台②の「白」「黒」が効いてきます。たとえば、責任者が確認書を見たあと、


  • 自分の手帳に「〇〇先生、白」と書いた

  • 職員一覧のExcelに丸をつけた

  • 付箋に書いてパソコンに貼った


これは、どれも犯罪事実確認記録になります(Q&A 基礎編8-1)。ひな型①②は「システムの外には記録しない」形です。つまり、手帳の一行で、選んだひな型の前提が崩れてしまうのです。紙で残さないと決めた園ほど、「メモもしない」ことまで、責任者と確かめておいてください。




ご質問3:確認結果を扱う人は、園長先生お一人でよいのですか

見る人が一人なら、いちばん漏れにくい。そう考えて、ひな型①を選んだ園は多いと思います。


答え:①で問題ない園も多い。ただし、確認の「あと」誰が何をするかから選ぶ

準備ガイド Ver.1.2の13ページ、基本原則の1番目は「取扱者は必要最小限」。国の考え方としても、扱う人は絞るのが原則です。

ただ、考えておきたいのは、犯罪事実確認のあとの話です。もし確認書に「前科あり」と出たら、その職員をこどもと接しない業務に移す、内定を取り消す、といった対応が必要になります。その書類を作るのは誰でしょうか。事務長や法人本部の方が担う園もあるはずです。

園長先生お一人しか確認書を見られない形にしたのに、配置転換の書類は事務長が作る。そうなると、事務長は理由を知らないまま手続きをするか、園長先生が口頭で伝えるかです。口で伝えた内容をメモすれば、それはまた記録になります。

ですから、選び方の案はこうです。


  1. うちでは、確認のあと誰が何をするのかを、先に書き出す

  2. その人数が一人で足りるなら、ひな型①

  3. 足りないなら、システムの上だけで複数名が見られるひな型②


どちらが合うかは、園によって違います。迷うところは、所管の自治体にもご確認ください。




ご質問4:職員が退職したら、システムの中で破棄するのですか

ここは、期限と罰則がからむので、正確に押さえておきたいところです。


答え(前半):はい。ただし、園が手続きをしないと消えません

Q&A応用編8-14によると、確認日から5年たった犯罪事実確認書は、こまもろうシステムで自動的に消去されるよう、システムを設計中とされています。

ところが、5年たつ前に職員が辞めた、内定を取り消した、という場合は、園がこまもろうシステムで「離職した」「内定を取り消した」という手続きをすることで、確認書が削除されます。

なぜ自動にならないのか。ガイドライン253ページには、離職等の場合は、国においてその時期を把握することが難しいため、事業者において消去の手続が必要、と書かれています。辞めた日を知っているのは、園だけなのです。

では、いつまでに。Q&A基礎編8-10です。


対象事業者等は、次に掲げる日から起算して30日を経過する日までに、犯罪事実確認記録等を廃棄し及び消去しなければなりません。 (こども性暴力防止法に関するQ&A 基礎編8-10)

「次に掲げる日」の1つが、「確認対象者が離職した日」です(ほかにも、確認日から5年を経過した日の属する年度の末日などが並んでいます)。そして、廃棄・消去の義務に違反した場合は、50万円以下の罰金です。ガイドライン286ページによると、根拠は法律の第38条、罰則は第46条です。

この30日は、現場では思った以上に短く感じます。

日付

園の様子

3月 31日

職員が退職

4月

新年度の受け入れで手いっぱい

5月の連休明け

「そういえば、システムの手続き…」と気づいたときには、もう30日を過ぎている


答え(後半):異動・育休は離職ではない

一方で、手続きをしなくてよい場面もあります。


なお、事業者内で対象業務以外の業務へ異動する場合や、育児休業、介護休業、産前産後休業等を取得する場合も、「離職」に該当せず、法第38条第2項の規定は適用されない。 (こども性暴力防止法施行ガイドライン 177ページ)

ですから、育児休業に入る職員について、離職の手続きをする必要はありません。辞めたら30日以内。異動や育休は離職ではない。 この2つを、事務担当の方とセットで共有しておいてください。




ご質問5:「退職が決まったら責任者に伝わる」流れは、どの書類に入れればよいですか

ご質問4の答えを聞いて、「仕組みにしておかないと、うちは忘れる」と感じた園からのご質問です。


答え:おすすめは2か所。情報管理規程と、退職の事務マニュアル

国の資料に「この書類に書きなさい」という決まりはありません。そのうえで、私たちのおすすめは2か所です。

1つ目は、情報管理規程の、犯罪事実確認書の廃棄・消去について書く箇所です。ガイドライン323ページの点検項目には、次の項目があります。


従事者の離職等があった際、法関連システムに離職日等を登録した上で、犯罪事実確認書が消去されたことを確認している (こども性暴力防止法施行ガイドライン 323ページ 点検項目)

規程どおりに動いているかを、ここで見られるのです。そしてガイドライン287ページには、従事者の離職、内定取消し等があった場合には、こども性暴力防止法関連システム上で報告手続を行うこと、廃棄・消去されたことを取扱いに関する責任者が確認すること、と書かれています。


2つ目は、園の退職の事務マニュアルや、退職時のチェックリストです。現場で実際に手が動くのは、こちらだからです。

一文の例(案)を挙げます。


職員の退職日が決まったときは、事務担当者は速やかに責任者に退職日を伝え、責任者は退職日から30日以内に、こまもろうシステムで離職の手続きを行い、確認書が消去されたことを確かめる。

ポイントは、**事務担当の方が伝えるのは「退職日だけ」**ということです。確認書の中身には触れないので、ひな型①の考え方とも食い違いません。これはあくまで案ですので、園の規程の書き方に合わせて調整し、所管の自治体にもご確認ください。




Q&A編②のまとめ


  1. 情報管理規程と犯罪事実確認は、別の義務。 規程ができても、確認の手続きは別に準備する。現職者は施行後3年以内、マイナンバーカードが原則

  2. 紙に残さなければ、確認書はシステムの中にある。 ただし、「白」「黒」のメモも記録

  3. ひな型は、確認のあと誰が何をするかから選ぶ。 一人で足りるなら①、足りないなら②

  4. 退職したら、離職の日から30日以内に園がシステムで手続き。 違反は50万円以下の罰金。異動や育休は離職ではない

  5. 退職日が責任者に伝わる流れは、情報管理規程と退職の事務マニュアルの2か所に




この記事で使った国の資料

いずれも、こども家庭庁「こども性暴力防止法」のページに掲載されています。


  • こども性暴力防止法施行ガイドライン(2026年 9月改訂)177・253・286・287・323ページ

  • こども性暴力防止法に関するQ&A(2026年 9月 29日改訂)基礎編 8-1・8-2・8-10/応用編 8-14・8-17

  • 義務事業者用 準備ガイド Ver.1.2 2・13ページ




動画を撮り終えて

国の資料は、ガイドライン、Q&A、準備ガイドと分かれていて、「これはどこに書いてあるのか」を探すだけでも一苦労です。今回のご質問をくださった先生にも、今日の動画のように、資料のページを示しながらご説明しました。

早くから準備を進め、書類をほとんど作り終えていた園でも、8月以降に国の資料が大きく改訂されたことで、「最新の版の理解で合っているか」「漏れがないか」が分からなくなっている、という声を伺います。施行前の今の段階で、正しい知識を落とし込んでおくことが、施行後の運用を楽にします。

ご質問は、動画のコメント欄からどうぞ。いただいたご質問は、このシリーズで取り上げていきます。次回のその3は、保護者への周知と職員研修についていただいたご質問です。




「5つの答えは分かった。でも、うちの園は」と感じている園長先生へ

ここまで読んで、こう思いませんでしたか。


  • ひな型①で作ったけれど、うちの事務の流れだと②のほうが合うかもしれない

  • 退職の手続きを規程に入れたいけれど、どこにどう書けばいいのか

  • 職員のマイナンバーカードや戸籍の準備まで、手が回っていない

  • 12月の行事と重なって、正直、一人では回らない


資料を読めば、答えは分かります。でも、それを自分の園の言葉で書類に落とし込むのは、また別の作業です。そこで、「順番を決める」「作る」「確かめる」の3つの入口をご用意しています。




◆こども性暴力防止法 無料オンライン面談会◆

(30分・Zoom)

まずは「順番を決める」入口です。園の状況を伺いながら、その場で12月 24日までの工程表を作ります。

受ける前

受けたあと

やることは分かったが、自分の園に当てはめると何が済んで何が残っているか分からない。順番も決められない

園の「済んだこと」「残っていること」が仕分けされ、12月 24日までの順番が1枚の工程表になっている

日程:随時ご希望があれば、情報管理規程や報告・対応ルールなどの書類づくりを園と一緒に進める「伴走支援」も、面談会でご紹介します。




◆こども性暴力防止法 実務対応セミナー◆(3時間)

「作る」入口です。まだ書類ができていない園に。対応準備シートに書き込みながら、10の項目をゼロから作ります。

受ける前

受けたあと

ひな型を開いたまま、自園の役職名に置きかえられない。不適切な行為の範囲も、規程の3択も決めきれていない

不適切な行為の範囲・規程の3択・報告・対応ルールが、対応準備シートの上に自園の言葉で書き上がっている

日程:2026年 11月 13日(金)/2026年 12月 3日(木)13:10〜16:00

Zoomライブ/オンデマンド受講も可。

同じ日の夕方の総点検セミナーと続けて受講できます。




◆施行直前 総点検セミナー◆(2時間)

「確かめる」入口です。一通りできている園に。副題は「12月 25日までに『抜け』をなくす」。

受ける前

受けたあと

一通り作ったが、最新の版か・抜けがないか分からない。監査で何を見られるかも分からない

国の監査の物差しに沿った点検票で「済」「残り」が一覧になり、監査で見られる場所が分かっている

日程:2026年 11月 13日(金)/2026年 12月 3日(木)17:00〜19:00

Zoomライブ/オンデマンド受講も可。お申し込みフォームは実務対応セミナーと共通です。


このほか、こども誰でも通園制度、カスタマーハラスメント対策、人事評価、園のInstagramなどのセミナーも行っています。詳しくはホームページをご覧ください。




お問い合わせ


特定非営利活動法人 すずらんチャイルドケア

人財育成部 部長 太田 宏彰


〒250-0862 神奈川県小田原市成田475-17 ゼフィールU201

TEL 0465-87-7649




ご質問はホームページのお問い合わせフォーム、または動画のコメント欄からもお受けしています。

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