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こども性暴力防止法 新着資料解説【2026年9月・第4回】ひな型が変わった:対処規程・誓約書・取扱記録

11 時間前
読了時間: 13分

まずは解説動画をご覧ください(約22分)


▲ 国のひな型11件を保育所の目で仕分け、9月に変わった点と、情報管理規程の選び方までお話しします。


※この記事は、こども家庭庁の施行ガイドライン別紙(ひな型、2026年9月2日更新)と関連資料に基づいています。


9月2日、施行ガイドラインの別紙、つまり国のひな型が、11件のうち6件まとめて更新されました。

「ひな型が変わったなら、うちの規程も直さないと」。そう思われた園長先生に、最初に安心していただきたいことがあります。

11件のひな型のうち、認可保育所が実際に使うのは一部です。 しかも、そのうちの1つは、認可保育所は作らなくてよいと国が明記しています。

この記事では、次の3つの問いに答えます。



問い

1

11件のひな型のうち、保育所が使うのは何件か

2

9月に変わったひな型で、園は何を見直すのか

3

情報管理規程は、3つのひな型からどれを選ぶのか


3つ目の情報管理規程は、第3回でお話しした「交付申請の前に提出する書類」です。選ばないと、申請の入口で止まってしまいます。

この3つに答えられれば、園の書類を「今すぐ直すもの」「申請前に出すもの」「備えておくもの」の3つの箱に仕分けられます。




先に正直にお伝えすること|国は新旧対照表を出していません

9月のひな型の更新について、国は「何をどう変えたか」の新旧対照表を出していません。ですので、ここからは私が確認できた範囲でお話しします。

8月に国が出した準備ガイドの参考資料(Ver.1.0)に載っていた誓約書の旧文面と、9月2日版の別紙4を見比べると、違いはここでした。



文言

旧(8月の準備ガイド参考資料)

令和8年12月25日までに施行予定の

新(9月2日版 別紙4)

令和8年12月25日施行の


施行日が政令で確定したので、「予定」が取れたということです。別紙3の募集要項も同じ整理です。

細かいと思われるかもしれません。でも、園の書類に「施行予定」と残ったままだと、施行後に「この誓約書は古いのでは」と職員や保護者に言われかねません。日付の文言は、そのまま園の信用に関わります。

ほかにも変更がある可能性はあります。ですから、今日の結論を先にお伝えします。

園の書類のもとにしたひな型が9月2日より前のものなら、国のページから9月版を取り直し、自園の書類の日付の文言を確認してください。 これだけは、今日やっておいていただければと思います。




問1 11件のひな型を、保育所の目で仕分ける


別紙

ひな型

9月の更新

保育所での使い方

1

児童対象性暴力等対処規程

更新

作らなくてよい(認定事業者用)

2

意向確認書面

―

6か月以内の再従事が見込まれる短期の先生にだけ

3

募集要項・求人票

更新

全園で使う(採用の3点セット)

4

誓約書・内定通知書

更新

全園で使う(採用の3点セット)

5

就業規則

―

全園で使う(採用の3点セット)

6

取扱記録(Excel)

更新

ひな型③を選んだ園だけ

7

権限設定表

―

全園で使う(全権限者・犯歴閲覧者)

8

情報管理規程ひな型①

―

3つのうち1つを選ぶ

9

情報管理規程ひな型②

―

3つのうち1つを選ぶ

10

情報管理規程ひな型③

更新

3つのうち1つを選ぶ

11

本人通知の整理表

更新

漏えい時の判断表。全園で綴じておく


別紙1の対処規程は、認可保育所は作らなくてよい

別紙1の対処規程は、認定事業者、つまり学習塾や認可外保育施設などが認定を申請するときの書類です。国の「ひな型リンク集」に、義務対象事業者は作成する必要はありません、と明記されています。


別紙2の意向確認書面は、使う園が限られます

任期が終わったあと、6か月以内にまた働く可能性がある人と交わす書面です。第2回で触れた、短期の先生の記録を持ち続けるための書類です。使う園は限られます。


採用の3点セット(別紙3・4・5)は、全園で使います

募集要項、誓約書と内定通知書、就業規則の3つは、採用に関わる3点セットです。すべての園で使います。このうち別紙5の就業規則は、9月には変わっていません。


情報管理の束(別紙6〜11)は、選んだひな型で使うものが変わります

別紙8・9・10が、情報管理規程の3パターンです。園は3つから1つを選び、選んだものに応じて別紙6(取扱記録)と別紙7(権限設定表)を使います。別紙11は、本人通知の整理表です。


まとめると、全園が使うのは6件


全園が使うもの

別紙3・4・5(採用の3点セット)

別紙7(権限設定表)

別紙8・9・10のうち1つ(情報管理規程)

別紙11(本人通知の整理表)


別紙1と2は、使わないか、限られた場面だけです。この仕分けで、ひな型の山は半分になります。

なお、「9月に更新された6件」(別紙1・3・4・6・10・11)と「保育所が使う6件」は、別の6件です。混同しないようにご注意ください。




対処規程は作らなくてよい。でも「報告・対応ルール」は必要です

「認可保育所は対処規程を作らなくてよい」と聞くと、では園は何も決めなくてよいのか、となりそうですが、そうではありません。

準備ガイドのチェックリスト3-①にあった「報告・対応ルール」、つまり疑いを把握したときの報告ルールと、報告後の対応ルールは、義務対象事業者にも求められています。ガイドラインの早期把握の項目です。

たとえるなら、こうです。



たとえると

対処規程

認定申請書に添える書類

報告・対応ルール

園の防災マニュアル


申請書は不要でも、防災マニュアルは要ります。

次の第5回でお話しする「初動の一枚」、つまり園の中の分担と、園の外の連絡先。それが報告・対応ルールの骨組みになります。

別紙1のひな型は作らなくてよいのですが、中身の第3条以降、実施体制や報告の流れの書き方は、園の報告・対応ルールを作るときの参考になります。作らないことと、読まないことは別です。




問2 9月に変わったひな型で、園は何を見直すのか|採用の3点セット

別紙3の募集要項の冒頭と、別紙4の誓約書は、国の1つの考え方でつながっています。

犯罪事実確認で前科が分かったとき、園は配置転換や内定取消しなどの措置を取らなければなりません。そのときに「聞いていなかった」「約束と違う」というトラブルを防ぐために、採用の入口で3つを済ませておく必要があります。



書類

書いておくこと

1

募集要項(別紙3)

特記事項に、犯罪事実確認が必要であること、特定性犯罪の前科がないことが採用条件であること

2

誓約書(別紙4)

特定性犯罪事実該当者でないことを、本人に誓約してもらう

3

内定通知書(別紙4)

内定取消事由として、「重要な経歴の詐称」と「犯罪事実確認の手続に対応しないとき」


この3つがそろっていると、前科がないと申告したのに実際はあった場合、「重要な経歴の詐称」として扱えると国は整理しています。就業規則(別紙5)の懲戒事由と、試用期間中の解約事由も、同じ言葉でつながっています。

園の入園案内や重要事項説明と同じです。あとで「聞いていない」と言われないために、入口で説明をして署名をもらっておく。それを、職員の採用の側でもやるということです。


よく迷う2点

いつから使うのか:今からです。 準備ガイドにも、施行前に採用募集を行う段階から、募集要項の見直しをするよう書かれています。来年4月の採用は、もう募集が始まっていると思います。今出ている求人票に特記事項が入っていなければ、次の掲載から入れてください。

施行後はどう直すのか:一節を外します。 別紙3と別紙4に、国の注意書きがあります。施行後にこのひな型を使うときは、「令和8年12月25日施行の」という文言を外してください、と書かれています。

つまり、12月25日を過ぎたら、園の誓約書と募集要項からその一節を消すということです。園の作業一覧に「12月25日以降」の欄を作って、書いておいてください。

なお、採用条件として前科がないことを明示すること自体は、別紙3の解説に、採用募集要項の採用条件に特定性犯罪前科がないこと等を明示する、と書かれています。保育士のように、こどもと接することが明らかな職種の採用では、この形で問題ありません。




問3 情報管理規程は、3つのひな型からどれを選ぶのか

ここが、今日いちばん実務に役立つところです。

9月9日に更新された「情報管理措置 解説動画視聴のための手引き」に対応表があります。国は、2つの問いで3つに分けています。


問い

中身

問い1

犯罪事実確認の結果(性犯罪歴の情報)を見るのは、園の中で責任者1人だけか、複数名か

問い2

こまもろうシステムの中だけで見て終わりにするか、システムの外(紙や園のパソコン)にも記録を保存するか

見る人

記録の保存

選ぶひな型

1人

システム内だけ

ひな型①(別紙8)

複数名

システム内だけ

ひな型②(別紙9)

複数名

システム外にも記録する

ひな型③(別紙10)


9月に更新されたのは、このうちひな型③です。

保育所への当てはめを、私の整理としてお伝えします。


園の形

ひな型

園長だけが結果を見る小規模園

①

法人本部の担当者と園長の2人で見る法人

②

紙で控えを取る運用にする

③


③を選ぶ前に、国の基本方針を読んでください

別紙10、ひな型③の冒頭にある基本方針に、国自身がこう書いています。


取扱者は必要最小限にする。犯罪事実確認書の記載内容について別に記録保存することは極力避ける。やむを得ず記録保存する場合は、リスクに応じた措置を行う。

つまり、ひな型③は「やむを得ない場合」のほうです。国の本音は、システムの中だけで見て、外に移さないことです。

理由は単純です。外に移した瞬間に、漏えいの入口が増えるからです。紙の控えは、金庫に入れる、鍵の管理者を決めるなどしたうえで、閲覧の記録を取る必要があります。消去の記録も取ります。③を選ぶと、このすべてが園の仕事になります。

ですから、おすすめは①か②を目指すことです。

「うちは紙で管理したいから」という園ほど、ここで一度立ち止まってみてください。第3回でお話ししたとおり、システムの帳簿は国が用意しています。園が別に犯歴の台帳を作る必要は、原則ありません。

※第1回・第2回で足していただいた職員一覧の列(研修、12月24日時点の区分)は、犯罪事実確認の結果を書くものではありません。ここでいう「台帳」とは別物ですので、そのまま使ってください。


③を選ぶ園は、別紙6の取扱記録が必須です

別紙6は、取扱記録の様式です。9月に更新されたExcelで、次のような項目を1件ずつ記録していきます。


記録すること

誰が、いつ、どの記録を作ったか

どこに保管しているか

いつ、誰に、どの媒体で伝達したか


ひな型③の第2章には「運用状況に関する記録の整備」とあり、紙で交付された確認書の閲覧、転記した記録の作成・閲覧、媒体の持ち運び、伝達、消去・廃棄の状況を記録し、定期的に確認する、と書かれています。別紙6は、そのための帳票です。

つまり、③を選ぶということは、この表を運用し続けることを引き受けるということです。①や②なら、この表は要りません。ここが、①②と③の実務の差です。


別紙7の権限設定表は、どれを選んでも使います

第3回でお話しした「全権限者」「犯歴閲覧者」を誰にするかを、この表で整理します。①②③のどれを選んでも使います。




別紙11 本人通知の整理表|覚えておくのは1行だけ

最後の1件です。別紙11は、万が一、性犯罪歴の記録が漏えいしたときのための表です。

縦に「こども家庭庁への報告」と「本人への通知」、横に「特定性犯罪事実の記載があるか」「個人情報保護法の個人データに当たるか」が並んでいます。

園長先生が覚えておくのは、この1行だけで大丈夫です。

記載の有無や個人データかどうかにかかわらず、漏えい・滅失・毀損や第三者への提供が起きたか、そのおそれがあれば、すぐにこども家庭庁への報告が必要です。

「うちは前科の記載がない確認書だから、報告しなくてよい」とはなりません。本人への通知は記載の有無で分かれますので、その場になったら、この表で判断します。

第3回で見たマニュアルでも、漏えい等の重大事案は、こまもろうシステムから速報と確報を出すとありました。

園で、個人情報の入ったUSBメモリをなくしたときの対応と同じ構造です。まず報告、次に本人への連絡。順番も同じです。ただ、性犯罪歴の記録は重さが桁違いなので、法律が報告先を国と決めています。違うのは、ここだけです。




今日やること|園の書類を3つの箱に仕分ける


箱

書類

すること

今すぐ直すもの

募集要項・誓約書・内定通知書・就業規則

9月版のひな型と見比べ、日付の文言を「施行の」にそろえる。施行後は外す

申請前に出すもの

情報管理規程

①②③から選んで作る。初回の交付申請の前に提出が必要

備えておくもの

権限設定表(全園)、取扱記録(③を選んだ園だけ)、本人通知の整理表

本人通知の整理表は、印刷して情報管理規程の後ろに綴じておく


箱に入れる前に、1つだけ。今使っているひな型が9月2日より前のものなら、国のページから取り直してください。国のページには「令和8年9月2日 掲載資料更新」と印がついています。




今日の要点

テーマ

要点

9月の更新

新旧対照表はない。確認できた違いは「施行予定の」から「施行の」への変更。9月版を取り直して、日付の文言をそろえる

11件の仕分け

認可保育所が使うのは6件。別紙1の対処規程は認定事業者用で、作らなくてよい。ただし報告・対応ルールは必要

採用の3点セット

募集要項の特記事項、誓約書、内定取消事由。今から使い、施行後は「施行の」の一節を外す

情報管理規程

2つの問いで3択。国の本音は「外に移さない」。①か②を目指し、③なら取扱記録の運用を引き受ける

漏えい

記載の有無にかかわらず、国に報告

今日やること

園の書類を3つの箱に仕分ける




次回は「疑いが生じたときの国の手引き」

次回の第5回で、9月の資料の各論5本がそろいます。ダイジェスト記事とあわせて、9月に国から出た資料が、園の10個の作業のどこに当たるのか、全部つながった形になります。目次代わりにお使いください。

各自治体の保育士会などで、このお話が参考になりそうでしたら、動画や記事をぜひ共有していただければ幸いです。

出典は、すべてこども家庭庁の資料です。動画の概要欄に、ページ番号つきで載せています。

  • こども家庭庁「こども性暴力防止法」ページ https://www.cfa.go.jp/policies/child-safety/efforts/koseibouhou

  • 施行ガイドライン 別紙1〜11(ひな型、2026年9月2日更新)、各種ひな型・参考例リンク集

  • こども性暴力防止法に関するQ&A(2026年9月18日改定)応用編6-17

  • 義務事業者用 準備ガイド(Ver.1.0 参考資料、Ver.1.1)

  • 情報管理措置 解説動画視聴のための手引き(2026年9月9日更新)




自園の規程づくりは、こちらで

この記事でお伝えしたのは、ひな型の仕分けと、9月版で見直す点までです。自園の募集要項・誓約書・就業規則を実際に直し、情報管理規程を①②③から選んで書くところは、次の場で扱っています。




◆こども性暴力防止法 実務対応セミナー◆

園長・主任・事務担当の方向けの、Zoomで約3時間のセミナーです。今日の区分の列も含めて、国の準備ガイドの10個の作業を、対応準備シートに書き込みながら自園の形にしていきます。

事務職員や送迎の運転手、外部講師のように判断に迷う方は、その場で一緒に整理します。

日程

時間

10月14日(水)

14:10〜17:00

11月13日(金)

13:10〜16:00

12月3日(木)

13:10〜16:00

当日ご参加が難しい方は、アーカイブ視聴(+2,200円)もご利用いただけます。お申込みとご入金のあと、すぐにご覧いただけます。





◆従事者研修(保育特化版)◆

全職員向けの研修です。オンデマンドの座学6本(約92分)と演習で構成しています。

ガイドラインの8つの研修事項を、保育の言葉に置き換えて座学6本に割り付けています。演習は、この記事でお伝えした国の演習資料にない「保護者から」「同僚から」の場面を含めた4場面です。

常勤の先生は園内研修1回、非常勤の先生はオンデマンドだけで修了でき、受講記録も出せます。料金は園ごとの職員数による区分制で、10名までの園は税別40,000円からです。





お問い合わせ


特定非営利活動法人 すずらんチャイルドケア

人財育成部 部長 太田 宏彰


〒250-0862 神奈川県小田原市成田475-17 ゼフィールU201

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