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こども性暴力防止法 新着資料解説【2026年9月・第3回】こまもろうシステム、今から集めるもの

11 分前
読了時間: 14分

まずは解説動画をご覧ください(約22分)


▲ 360ページのシステムマニュアルを、園が今から集める3つのものに絞ってお話しします。


※この記事は、こども家庭庁が2026年9月8日に公表した「こまもろうシステム」のマニュアル(素案)と、Q&A(2026年9月18日改定)に基づいています。


9月8日、こども家庭庁から、こまもろうシステムのマニュアルが素案として公表されました。


マニュアル

ページ数

事業者向け

194ページ

従事者向け

166ページ

合計

360ページ


360ページと聞くと、事務の方の顔が曇るのが目に浮かびます。でも、読んでみると、園が施行前にやることは、実は3つに絞られます。

この記事では、その3つと、職員の皆さんに今のうちに伝えておくことを、マニュアルの画面の実物に沿ってご説明します。

なお、このマニュアルは素案です。国は施行のときに更新版を出すと書いていますので、画面の細かいところは変わるかもしれません。ここでは、変わらないと考えてよい「流れ」と「集めるもの」に絞ってお話しします。




今日のゴール|この3つを、園で集め始める


集めるもの

ひとこと

1

職員のメールアドレス

スマホで見られるもの

2

職員のマイナンバーカードと暗証番号の確認

カードそのものと、暗証番号を覚えているか

3

12月24日時点の区分

第2回で職員一覧に足していただいた列


この3つがそろっていれば、システムが動き出したとき、園の作業はほぼ「転記」で済みます。逆に、この3つがないと、システムの前で止まってしまいます。

マニュアルにも、施行前から対象の従事者を特定して整理しておくことは有効だ、と書かれています。




まず言葉の整理|こまもろうシステムとは

こども性暴力防止法の手続き、つまり犯罪事実確認、情報管理、定期報告を、まとめて行う国の専用システムのことです。

紙の申請書はありません。原則として、すべてこのシステムの上で行います。

「こまもろうシステムマニュアルについて」の4ページに、義務対象事業者の手続きの全体像があります。


時期

手続き

中身

施行前

GビズIDの取得

システムのアカウントを登録するために取得する

施行前

事業者情報の登録

所轄庁が事業者の情報をとりまとめ、こども家庭庁へ登録する

施行前

事業者アカウント登録

システムのアカウントを登録し、ログインする

施行前

対象従事者の登録準備

犯罪事実確認の対象となる従事者を特定し、リストアップする

施行後

犯罪事実確認の実施

従事者情報の登録、交付申請、確認完了の届出、記録の消去など

施行後

情報管理措置

情報管理規程の提出(初回の交付申請までに必要)、漏えい等が起きたときの報告

施行後

こまもろうマークの取得・使用

マークの取得手順、使用上の留意点など

施行後

監督等

帳簿の管理、事業者情報の変更、定期報告


銀行の口座開設と同じ分担です

たとえるなら、銀行の口座開設と同じです。園が「この人の口座を作ってください」と申し込む。でも、本人確認は本人が窓口で行う。園が代わりに本人確認をすることはできません。

こまもろうシステムも同じです。


順番

誰が

すること

1

園

申し込む

2

職員本人

本人確認をする

3

園

結果を受け取る


この分担を、頭に置いておいてください。

もう1つ注意があります。定期報告の機能など、施行時点で必須でない一部の機能は、施行後に順次リリースされると書かれています。12月25日に、すべてがそろっているわけではありません。




園の準備①|GビズIDと「権限者」の登録

GビズIDは、デジタル庁が事業者向けに発行するアカウントで、システムに入るための鍵です。「プライム」という種類が、すべての事業者に必要です。

義務対象事業者は、春から夏にかけて、まとめ登録を済ませているはずです。国の全国説明会資料(99ページ)によると、事業者情報の提出率は、8月20日時点の推計値で99%。保育所が入る「児童福祉関係」の区分も99%です。

まとめ登録が済んでいる園は、マニュアルのGビズID取得の章は飛ばしてかまいません。マニュアルにも、そう書かれています。

まだの園は、まとめ登録の記事と動画をご覧ください。


犯歴を見られる人は、最小限に

次に「権限者」です。システムの中では、誰が何をできるかを分けています。とくに大事なのが、「全権限者」と「犯歴閲覧者」です。

性犯罪の前科の有無という、極めて機密性の高い情報を見られる人を絞るための仕組みです。マニュアルは、交付申請のときまでに、この2つの登録を済ませるよう求めています。

園でいえば、結果を見るのは園長だけなのか、園長と事務長の2人なのか。それを先に決めておくということです。

人数は、とにかく最小に。 これは、ガイドラインの情報管理の考え方そのものです。

もう1つ、ログインのときの本人確認は、マイナアプリかパスキーです。担当者個人のマイナンバーカードを使いますので、園長先生や事務の方も、ご自身のカードと暗証番号を確認しておいてください。




園の準備②|対象従事者の登録

マニュアルでは「従事者インデックス登録」と呼ばれています。事業者向けマニュアル60ページに、実際の登録画面があります。


項目

入力のしかた

メールアドレス

必須

氏名

必須

施行時現職者に当たるかどうかの区分

必須

事業名・事業所名

プルダウンで選ぶ


ここで、第2回の話がつながります。職員一覧に「12月24日時点の区分」の列を足しておけば、この画面の区分は、そのまま転記できます。

新卒採用などで配属先が未定の場合は、マニュアルに表があり、「選択してください」のまま登録してよいとされています。配属が決まってから変更します。これは、Q&A応用編6-7-2の「配属先が未定でも施行時現職者」という整理とそろっています。

登録の方法は2つです。


方法

中身

個別登録

1人ずつ入力する

一括登録

Excelで一度に入れる。ファイルはシステムからダウンロードする


園の職員が10人を超えるなら、一括登録が現実的でしょう。国が8月に示した「対象従事者のリストイメージ」は、この一括登録のファイルに転記するための下書きです。




いちばん伝えたいこと|「7日間の壁」

ここが、今日いちばんお伝えしたいところです。私は「7日間の壁」と呼んでいます。

園が従事者を登録すると、その職員のメールアドレスに、アカウント登録を依頼するメールが自動で届きます。事業者向けマニュアル62ページにメールの例があり、そこに登録期限が書かれています。

この登録URLの有効期限は、7日間です。

マニュアルの本文にも、こう書かれています。


従事者がアカウント登録を行うことのできる期間は7日間です。適宜従事者にアカウント登録を完了するように周知してください。

有効期限を過ぎると、リンクは使えなくなります。つまり、園が登録した日から1週間以内に職員本人がアカウントを作らないと、やり直しになってしまいます。

園のお便りにたとえると、返信期限が1週間の出欠確認を、全職員に一斉に出すようなものです。お休み中の先生や、メールをあまり見ない先生がいれば、期限を過ぎてしまうかもしれません。

ですから、順番はこうです。


順番

すること

1

先に職員に伝える。「こういうメールが来ます。届いたら1週間以内に登録してください」

2

そのあとで、園がシステムに登録する


登録してから説明する順番だと、7日間が始まってからの説明になり、遅くなってしまいます。


育休中の先生には、メールの前に電話を1本

アカウント登録は、本人が行います。Q&A応用編6-23には、休職者でも本人が行うと明記されています。

育休中の先生には、メールが届く前に電話を1本入れてください。それだけで、やり直しが減ると思います。




職員本人がやること|10のステップと、手元に用意する4つ

従事者向けマニュアル11ページに、職員側の手順を10のステップにした図があります。


ステップ

職員がすること

1

マイナンバーカードとマイナアプリを用意する

2

園にメールアドレスを出す

3

登録依頼のメールを受け取る

4・5

アカウントを登録し、確認する

6・7

マイナンバーカードで情報を取得する

8・9

登録内容を更新し、確認する

10

登録完了


職員が手元に用意するものは4つです。


用意するもの

中身

マイナンバーカード

カードそのもの

マイナアプリ

スマホに入れておく

利用者証明用の暗証番号

数字4桁

署名用のパスワード

英数字6〜16文字


つまずきやすいのは、暗証番号とパスワードです。カードを作ったときに決めたけれど覚えていない、という方が必ず一定数いると思います。

マイナンバーカード以外の本人確認書類でも登録はできます。ただ、書類のアップロードと審査に時間がかかると、マニュアルに書かれています。

ですから、園から職員へのお知らせに、この一文を入れておいてください。


マイナンバーカードの暗証番号を、今のうちに確認しておいてください。

施行後の混乱をいちばん減らすのは、この一文だと思います。




戸籍|早すぎても、遅すぎてもだめ

犯罪事実確認には、出生から現在までのすべての戸籍(除籍)の情報が必要です。名前が変わった人や、本籍が変わった人は、その前の戸籍も必要になります。

基本は、スマホのマイナアプリでマイナンバーカードを読み取ると、戸籍の情報が登録される方法です。これが原則で、いちばん楽な方法です。

ただし、自治体の戸籍の電子化の状況によっては、取れない戸籍があります。その場合は、市区町村の窓口で、次の両方を取ります。

  • 戸籍電子証明書提供用識別符号

  • 戸籍謄本など

ここに、注意点があります(従事者向けマニュアル60ページ、Q&A応用編6-7-3)。


書類

期限

戸籍電子証明書提供用識別符号

発行から3か月で無効になる。取ったらすぐシステムに登録する

戸籍謄本

園が交付申請をした日から6か月以内に発行されたものが必要


ですから、窓口で取る先生には、2つを伝えておきます。

  • 園の申請月が決まってから取る

  • 取ったら3か月以内に登録する

取るのが早すぎても、遅すぎてもだめということです。

なお、広域交付の制度を使えば、本籍地ではなく近くの窓口で取れます。ただし、郵送や代理人による請求はできないと書かれています。


転職してきた先生には「前の園で出しましたか?」

過去に犯罪事実確認で戸籍を出したことがある人は、別の園での確認でも、提出を省略できます。Q&A応用編6-18に書かれています。

転職してきた先生には、「前の園で戸籍を出したことはありますか?」と聞いておく価値があります。10月から3月にかけての採用面談では、意識して確認するとよいでしょう。




交付申請までに、園がすること3つ

職員のアカウント登録が済んだら、園の出番に戻ります。交付申請までに、園がすることは3つです。



すること

中身

1

従事者情報の追加

職員が登録した情報に、業務の概要、従事開始の予定日、いとま特例に当たるかどうかを足す

2

書類の添付

その職員が対象の業務に従事することを証明する書類。内定通知書や雇用契約書など(Q&A基礎編6-11)

3

情報管理規程の提出

見落としやすいので注意(下記)


情報管理規程がないと、申請の入口で止まります

マニュアル19ページに、初回の犯罪事実確認書の交付申請を行う前までに、事業ごとに情報管理規程を提出する必要がある、と書かれています。先ほどの全体像(4ページ)にも、同じことが書かれています。

つまり、情報管理規程ができていないと、申請の入口で止まってしまうということです。

情報管理規程は、9月2日に「ひな型③」が更新されています。中身は次の第4回で扱いますが、今の段階では、申請前に提出が必要な書類として、準備の一覧に入れておいてください。


順番を整理すると


順番

誰が

すること

1

園

職員を登録する

2

職員本人

アカウントと戸籍を登録する

3

園

情報を足し、書類をつけ、情報管理規程を出して申請する


ここまでが、ワンセットです。




施行後の話を2つだけ

どちらも素案の記述なので、施行時の版で確認してください。


帳簿は「4月末日時点」

事業者向けマニュアル61ページの注意書きに、4月末日時点の情報で帳簿を作成する義務がある、とあります。

帳簿とは、犯罪事実確認の対象となる従事者の情報の一覧です。システム上で管理しますが、4月末の時点で、正しい事業所に更新されている必要があります。

新卒で「選択してください」のまま登録した人は、4月末までに配属先を入れる。ここは覚えておいてください。


定期報告は、12月25日にはまだ画面がないかもしれません

年に1回、こども家庭庁に報告します。第1回で見た「研修を受講させている」のチェックも、ここに入ります。

ただし、定期報告の機能は施行後に順次リリースと、全体像(4ページ)の注記に書かれています。12月25日の時点では、まだ画面がない可能性があります。

施行日に、すべてが動くわけではありません。園が慌てないために、先に知っておいていただきたい内容です。




今日やること|3つを集め始める

職員へのお知らせに入れる項目を、表にしました。



集めるもの

お知らせに書くこと

1

メールアドレス

業務用でも私用でもよい。スマホで受け取れるもの。「登録依頼のメールが届いたら、1週間以内に登録してください」と添える

2

マイナンバーカードの準備

カード、マイナアプリ、暗証番号(数字4桁)、署名用パスワードの4点。カードを持っていない方は、今から申請を

3

12月24日時点の区分

これは園の作業。第2回の列を使う


あわせて、園で決めておくことが2つあります。


園で決めておくこと

犯歴を閲覧する人を誰にするか

情報管理規程を、申請の前に出せる状態にしておく


このお知らせは、施行の直前ではなく、今出してください。

理由は、マイナンバーカードの申請から受け取りまで、自治体によっては1か月以上かかることがあるからです。12月になって「カードがありません」と分かっても、間に合わなくなってしまいます。




今日の要点

テーマ

要点

しくみ

園が申し込み、本人が本人確認をし、園が結果を受け取る。園が代わりに本人確認はできない

園の準備

GビズIDと権限者の登録、そして従事者の登録。登録に必須なのは、メールアドレス、氏名、12月24日時点の区分

7日間の壁

登録依頼メールの有効期限は7日間。先に職員に伝えてから、園が登録する

職員の準備

マイナンバーカード、マイナアプリ、暗証番号4桁、署名用パスワードの4点。戸籍は出生からすべて。識別符号は3か月以内に登録

申請の前に

情報管理規程の提出が必要

今やること

メールアドレス、マイナンバーカードの準備、12月24日時点の区分の3つを集め始める




次回は「ひな型が変わった:対処規程・誓約書・取扱記録」

次回の第4回は、9月2日に更新されたひな型を扱います。今日「申請前に提出が必要」とお伝えした情報管理規程も、ここで見ていきます。

各論の一覧は、ダイジェスト記事にまとめています。目次代わりにお使いください。

出典は、すべてこども家庭庁の資料です。マニュアルは素案ですので、施行時の更新版で、また答え合わせをしていきます。





自園の職員へのお知らせづくりは、こちらで

この記事でお伝えしたのは、システムの流れと集めるものまでです。自園の職員へのお知らせ文を作り、犯歴閲覧者を決め、情報管理規程を申請前に出せる状態にするところは、次の場で扱っています。




◆こども性暴力防止法 実務対応セミナー◆

園長・主任・事務担当の方向けの、Zoomで約3時間のセミナーです。今日の区分の列も含めて、国の準備ガイドの10個の作業を、対応準備シートに書き込みながら自園の形にしていきます。

事務職員や送迎の運転手、外部講師のように判断に迷う方は、その場で一緒に整理します。

日程

時間

10月14日(水)

14:10〜17:00

11月13日(金)

13:10〜16:00

12月3日(木)

13:10〜16:00

当日ご参加が難しい方は、アーカイブ視聴(+2,200円)もご利用いただけます。お申込みとご入金のあと、すぐにご覧いただけます。





◆従事者研修(保育特化版)◆

全職員向けの研修です。オンデマンドの座学6本(約92分)と演習で構成しています。

ガイドラインの8つの研修事項を、保育の言葉に置き換えて座学6本に割り付けています。演習は、この記事でお伝えした国の演習資料にない「保護者から」「同僚から」の場面を含めた4場面です。

常勤の先生は園内研修1回、非常勤の先生はオンデマンドだけで修了でき、受講記録も出せます。料金は園ごとの職員数による区分制で、10名までの園は税別40,000円からです。





お問い合わせ


特定非営利活動法人 すずらんチャイルドケア

人財育成部 部長 太田 宏彰


〒250-0862 神奈川県小田原市成田475-17 ゼフィールU201

TEL 0465-87-7649




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