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こども性暴力防止法に45億円|12月25日は準備を始める日ではありません

  • 21 時間前
  • 読了時間: 9分

まずは解説動画をご覧ください(約16分)


▲ 45億円と3億円。同じ「予算がついた」でも意味が違います

令和9年度 こども家庭庁 概算要求の深掘りシリーズ、2本目です。

前回の第1回では処遇改善等加算を扱いました。答えは12月というテーマでしたね。

今日の2つは、正反対の性質を持っています。

こども性暴力防止法と、新しい保育所保育指針です。

どちらも今回の概算要求で予算がつきました。予算がついたということは、国の準備が実行段階に入ったということです。

つまり、次に動くのは園の番です。

今日はこの2つを、園が何をすべきかまで含めて深掘りしていきます。



今日の2つは「動く番」のテーマです



第1回(前回)

第2回(今回)

テーマ

処遇改善等加算

こども性暴力防止法/新しい保育所保育指針

予算

事項要求(金額なし)

45億円/3億円

性質

待つテーマ(答え合わせは12月)

園が動く番のテーマ


予算というのは、制度の点火スイッチのようなものです。

園でも、行事の企画は予算が承認されて初めて実行に移りますよね。国も同じで、金額がついたということは準備が実行段階に入ったということです。

だから今日の2つは、待つのではなく園が動く番なんですね。



テーマ①|こども性暴力防止法

施行が近づいてきました。12月25日です。

何から手をつければいいか分からないと不安な先生、正直、多いと思います。日々の保育をしながら制度の対応ですから、当然です。

大丈夫です。今日この記事で、頭の中が整理できますよ。

まずミニ解説から。

こども性暴力防止法とは、こどもと接する仕事につく人の性犯罪歴を確認して、こどもを性暴力から守る仕組みを定めた法律です。いわゆる日本版DBSと呼ばれています。

2024年6月に成立して、施行が今年、2026年12月25日。今日から数えて、あと3か月半です。




「うちは対象なのか」を必ず確認してください

ここが大事なところです。


区分

対象

義務対象(学校設置者等)

学校、認可保育所、認定こども園、児童福祉施設など

認定対象

学習塾のような民間事業者。国の認定を受けた場合に同じ仕組みを運用


つまり、この記事をご覧の園の多くは、やるかやらないかを選ぶ立場ではなく、もうすでに義務なんですね。

企業主導型保育など、ご自身の施設がどちらに当たるかは、こども家庭庁の資料で必ず確認してください。




45億円|事項要求を卒業しました

この法律、予算の面でも大きな変化がありました。



予算

昨年の概算要求

事項要求(金額なし)

今年

円滑かつ確実な運用として45億円


事項要求を卒業して、金額がついたんですね。

さらに事業別の資料まで見ると、システムの経費46億円を含めた関連の合計は91億円規模になります。

ポイント資料の45億円という数字の奥に、もう一回り大きな体制づくりがあるわけです。

ここでも、資料のどの階層を見るかで数字が変わるという読み解き方が効きますね。

いずれにせよ、施行の年に向けて国は運用体制づくりに本腰を入れた。それがこの予算の意味です。




45億円で何が用意されるのか|園に関わる3つ


① 運用体制の確保

犯罪事実確認のためのシステム開発と、それを動かす体制の整備です。


② 事業者支援の相談窓口の設置

ここが園にとって朗報です。

2種類の窓口が用意されます。


窓口

相談できること

弁護士

実際にこども性暴力等が生じた際の調査、従事者の配置転換といった雇用管理の場面

情報セキュリティ専門家

犯罪事実確認の情報管理について


園にとっての駆け込み寺ができると考えてください。


③ 周知広報と説明会

2030年までに、事業者の制度認知率75%以上という目標も掲げられています。

国は「制度を知らなかった」をなくしに来ています。

裏を返せば、園も「知らなかった」では済まされない段階に入ったということですね。




園は何を準備すればよいのか|3つ


① 犯罪事実確認の準備

誰が、どの職員を対象に、どんな手順で確認するのか。新しく採用する方の流れも含めて整理しておきます。


② 安全確保措置の整備

この法律は、犯罪歴の確認だけの法律ではありません。

  • 従事者への研修

  • こどもが相談しやすい体制

  • 保護者への周知

  • 確認結果の厳格な情報管理

ここまでセットで求められています。


③ 規定やルールの整備

確認の結果、性暴力の恐れがあると判断された場合には、その職員の配置転換などの措置が必要になります。

ですから、就業規則や個人情報の取り扱い規定を先に整えておくことが、トラブル防止につながります。




保護者への周知は、こう伝えられます

言い方の例をご紹介します。


12月から、こどもと接する職員の性犯罪歴を国の仕組みで確認する制度が始まります。お子さんをお預かりする園として、この制度にしっかり対応してまいります。

防犯対策の強化として前向きに伝えると、保護者の安心と園への信頼につながりますよ。




強調したいこと

12月25日は、準備を始める日ではありません。運用が始まる日です。

準備は、この秋から冬が勝負になりますよ。




テーマ②|新しい保育所保育指針

こちらもミニ解説から行きましょう。

保育所保育指針とは、保育所における保育の内容と運営の基準を国が定めたもので、全国の園の保育の土台、いわば保育の設計図になります。

現行版は平成29年に告示され、平成30年4月から適用されていますから、もう10年になります。




今、何が起きているのか

事業別資料の原文にはこう書かれています。


令和7年4月に「保育所・認定こども園における保育の内容の基準等の在り方について」が諮問され、こども家庭審議会でも保育所保育指針・幼保連携型認定こども園教育・保育要領の改定に向けた審議が行われている

つまり、約10年ぶりの改定に向けた議論が、今まさに進んでいるんです。

ちなみに、こども家庭庁ができてから初めての指針改定になります。




その審議中の新指針に、初めて予算がつきました

新しい保育所保育指針等の円滑な実施に向けた環境の整備。3億円の新規要求です。

事業別資料に書かれていた中身は2つ。


内容

詳細

解説資料の作成

新指針の趣旨や理念を現場に届けるための資料づくり

全国8ブロックでの説明会

改定内容を全国の関係者に直接説明する場




ここで読み方の注意です

新指針がいつから施行されるのか、この時期はまだ示されていません。

ですから「来年から変わります」とは言えません。

ただ、周知のための予算がついたということは、改定が具体的に近づいているサインです。

設計図の書き直しが、いよいよ仕上げの段階に入りつつあると読んでください。




施行時期も内容も確定していない今、園に何ができるのか|3つ


① 現行指針の振り返り

改定というのは、現行の上に積み上がるものです。

まず今の指針で自園の保育を点検しておくと、新しい指針が出たときに何が変わったのかがすぐ分かります。


② 来年度の園内研修計画に、新指針の枠をあらかじめ確保しておく

中身は未定でも、枠だけ取っておく。そうすれば、改定内容が出た瞬間に研修へ落とし込めます。


③ 情報のアンテナ

こども家庭審議会の審議資料は公開されています。説明会や解説書が出たら、最優先でキャッチしてください。

もちろん、このチャンネルでも必ず解説します。

処遇改善のときと同じ結論になりますが——中身を当てに行くのではなく、出たらすぐ動ける園にしておく。それが今できる一番の準備です。




2つのテーマに共通する「型」

制度は、議論 → 成立 → 予算 → 施行という順番で動きます。



こども性暴力防止法

新しい保育所保育指針

議論・成立

2024年6月に成立

令和7年4月に諮問、審議中

昨年

事項要求

今年

45億円

周知の予算3億円

施行

2026年12月25日(直前)

これから

段階

施行直前の総仕上げ

準備開始の号砲

つまり、同じ「予算がついた」でも、段階が違うんですね。

逆に言えば——予算がついたかを見れば、その制度がどの段階まで来たかが分かります。

概算要求を毎年チェックすることが園にとって最高の定点観測になる理由が、ここにあります。




今日のまとめ|3つ

1つ目。こども性暴力防止法は12月25日に施行されます。 犯罪事実確認・安全確保措置・規定整備の3点セットの準備。この秋が勝負です。 国側も45億円で相談窓口や説明会を用意しています。

2つ目。新しい保育所保育指針。 約10年ぶりの改定が近づいています。施行時期は未定ですが、現行指針の振り返りと研修計画の枠の確保で、出たらすぐ動ける園にしておきましょう。

3つ目。今日いちばんお伝えしたかったことです。予算がついたかというのは、制度がどの段階まで来たかを示すサインです。

概算要求は、園にとって最高の定点観測ポイント。毎年この時期に、一緒にチェックしていきましょう。




次回は保育DXと全部見える化です

深掘りシリーズの3本目は、保育DXと全部見える化、園の事務のお話です。

  • 保育DXの推進103億円で、園の請求や監査まわりはどう変わるのか

  • 全省庁で初めてという予算の全部見える化

  • 交付申請・実績報告の電子化はどこまで進むのか

処遇改善の実績報告に毎年ご苦労されている園には、朗報かもしれません。




令和9年度 概算要求まるごと解説セミナー

今日は性暴力防止法と新指針という、2つの「園が動く番」のテーマをお話ししました。

犯罪事実確認の手順、規定の整備、そして研修の段取り。やることは見えたけれど、自園の場合は何から手をつければいいか分からない。

それを整理するのが、このセミナーです。

約100分で、各項目の**「なぜ」を過去に遡って解説し、後半は自園準備チェックシート**を使って、今日の性暴力防止法や新指針の準備も含めた「来年4月までの準備リスト」を一緒に作っていきます。

ライブでご参加の方は、当日その場でのご質問と、他の園の先生方との交流ができます。

日程(各回とも同じ内容です)


開催日

曜日

時間

9月16日

10:10〜12:00

10月15日

10:10〜12:00

11月17日

10:10〜12:00

12月15日

10:10〜12:00


オンデマンド視聴のみもお選びいただけます。




受講料

9,900円(税込)

特典

自園準備チェックシート(Excel)/30分の無料個別相談





お問い合わせ

特定非営利活動法人 すずらんチャイルドケア

人財育成部 部長 太田 宏彰

〒250-0862 神奈川県小田原市成田475-17 ゼフィールU201

TEL 0465-87-7649




ご質問はホームページのお問い合わせフォーム、または動画のコメント欄からもお受けしています。「ここが違うのでは」というご指摘も、ぜひお寄せください。




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