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こども性暴力防止法 新着資料解説【2026年10月・第7回】戸籍は出生までさかのぼる|職員への伝え方・育休中の職員・採用まわり

11 時間前
読了時間: 13分

まずは解説動画をご覧ください(約21分)


▲ 9月29日に出た戸籍関係事務の通知と、同じ日のQ&A改訂を、園がやることの順にまとめました。


※この記事は、こども家庭庁「こども性暴力防止法」の解説動画・資料のページで、2026年9月29日に出た資料に基づいています。


前回の第6回では、9月下旬からの更新を4つに整理しました。今回は、その1つ、戸籍に踏み込みます。

「戸籍は出生までさかのぼる」。この一言を、職員の皆さんにどう伝えるか。育休中の方はどうするか。そして、採用のときの誓約書はどうなるのか。園がやることを順番にお話しします。



内容

前半|国の資料で何が決まったのか

9月29日の戸籍関係事務の通知と、同じ日の概要資料

後半|園はどうするか

職員への伝え方、育休中の職員、採用まわり


今回の目玉は3つです。出生から現在までの全部。マイナンバーカードがあっても自分で取る4つの例。育休中の職員は名簿から外さない。




そもそも、なぜ戸籍なのか

犯罪事実確認は、こまもろうシステムを通じて園が国に申請し、国が法務省に前科の有無を照会するしくみです。このとき、本人を確かめる書類として戸籍が要ります。法律の第33条第5項に、本人確認書類が定められています(概要資料6ページ)。



本人確認書類

日本国籍

本籍等が記載されたすべての戸籍(抄本・謄本等)と、除かれた戸籍

外国籍

住民票の写しなど


なぜ戸籍なのか。運転免許証や保険証では、「今のこの人」は分かっても、「生まれてから今までずっと同じ人か」は分からないからです。

たとえば、結婚して名字が変わった方。前科の記録は、旧姓で残っているかもしれません。だから、名字が変わる前までさかのぼって、同じ人だと確かめる。戸籍は、そのための書類です。ここが分かると、「出生から全部」の意味がすっと入ってくると思います。




前半|国の資料で何が決まったのか

通知の実物|出生から現在まで「全部」

9月29日、こども家庭庁支援局長から都道府県・指定都市・中核市へ、「こども性暴力防止法の施行に伴う戸籍関係事務について」という通知が出ました。

市町村の戸籍窓口に、「施行後、戸籍を取りに来る人が増えますよ」と知らせるものです。そのために、従事者がどんな戸籍を取るのかが具体的に書かれています。園にとっては、職員に説明するときの一次資料にもなります。

「記」の最初の項目です。


犯罪事実確認に必要となる本人確認書類として、法第33条第5項に基づき、出生から現在に至るまでの全ての戸籍情報を取得する必要がある

現在の戸籍1枚ではなく、出生から現在までです。


「全部」とは、どういうことか

戸籍は、家族の記録です。



戸籍

生まれたとき

親の戸籍

結婚したとき

親の戸籍から抜けて、新しい戸籍を作る

本籍を移したとき

また新しい戸籍になる

現在

いまの戸籍


たとえるなら、連絡帳です。今年度の連絡帳を見ても、去年のことは書いてありませんよね。入園からの記録をたどるには、年度ごとの連絡帳を全部そろえる必要があります。

戸籍も同じで、いまの戸籍には「この戸籍を作る前はどこにいたか」までしか書いていません。その前の戸籍、親の戸籍から抜けた記録、これを除籍と言いますが、それもそろえて、つながりが切れないようにしなければなりません。

ですから、ご自身の戸籍が変わった回数が多い方ほど、取る枚数が増えます。結婚、転籍、離婚と再婚。それぞれで1通ずつ増えていきます。


マイナンバーカードがあっても、自分で取る4つの例

「カードがあれば電子で取れる」と聞いた方も多いと思います。半分正しくて、半分注意が要ります。

通知の2ページ目によると、マイナンバーカードを使うと、こまもろうシステムで「戸籍情報連携システムにおいて電子的に連携可能な戸籍・除籍」は取得できます。ただし、取れないものが4つ例示されています。



自分で窓口・郵送で取るもの

中身

1

改製不適合戸籍

戸籍に使われている文字などの事情で、紙のまま管理されている現在の戸籍

2

紙で管理され、電子的に取得できない除籍

―

3

イメージ除籍

電算化前の除籍や改製原戸籍を、画像データとして管理しているもの

4

出生後に在籍した戸籍のつながりの中に、改製原戸籍を含むなどして、現在の戸籍との間で自動的に取得できない戸籍・除籍

―


改製原戸籍とは、紙の戸籍をコンピューターに置き換えたときの、置き換える前の古い戸籍のことです。たとえるなら、昔の写真がアルバムにしか残っていなくて、データになっていない状態です。アルバムは電子で送れないので、取りに行くしかありません。

置き換えを認める法律の改正は平成6年(1994年)ですが、実際に切り替えた時期は市区町村ごとに違います。たとえば小田原市は2006年4月29日、横浜市は2008年7月19日です。そして人は生まれると、まず親の戸籍に入ります。その親の戸籍が切り替え前の紙の戸籍だったら、生まれたときの記録は改製原戸籍の側に残ります。結婚や転籍をしたことがない若い先生でも、改製原戸籍が必要になることがあります。年齢では決まりません。

「カードがあれば大丈夫」とだけ伝えると、申請の直前に「取れませんでした」ということが起きかねません。


窓口で取るときは「謄本」と「識別符号」の両方を

窓口や郵送で取るときは、紙の戸籍謄本だけでは足りません。通知の2ページ目に、「戸籍・除籍謄本」と「戸籍・除籍電子証明書提供用識別符号」を直接取得する必要があると書かれています。識別符号という番号も一緒に請求しないと、こまもろうシステムで提出できません。

請求書の様式は市区町村ごとに違うので、職員には「窓口では、謄本と電子証明書提供用識別符号の両方をください、と伝えてください。こども性暴力防止法の犯罪事実確認に使います、と添えると伝わりやすくなります」と、言葉で伝えておきましょう。


※この節は、公開後にX(旧ツイッター)でいただいたご指摘を受けて直しています。詳しくは第8回の冒頭をご覧ください。

本籍が遠い方には「広域交付」

自分で取るときの助けになる制度も、通知に書いてあります。


本籍と住所地が異なる場合や、過去に複数の自治体にまたがる転籍を行っている場合は、広域交付制度を活用するなどして全ての戸籍情報が取得されることが見込まれる

広域交付は、令和6年(2024年)3月から始まった制度で、本籍地が遠くても、お近くの市区町村の窓口で戸籍謄本をまとめて請求できるしくみです。たとえば、本籍が九州にある先生が、神奈川県の役所の窓口で自分の戸籍をそろえられます。ただし、注意点があります(制度の中身は法務省「戸籍証明書等の広域交付」、戸籍法第120条の2による説明です)。


広域交付の注意

窓口に本人が行く(顔写真付きの本人確認書類が要る)

郵送やコンビニ交付では使えない

請求できるのは、本人・配偶者・直系の親族の戸籍


職員に伝えるときは、「本籍が遠い方は、広域交付という制度で、近くの役所でまとめて取れます」。この一言があるだけで、「わざわざ帰省しなきゃいけないの?」という不安が取り除けます。


確認にかかる時間|内定者への案内は1月中

同じ日に出た概要資料の7ページに、犯罪事実確認にかかる時間が書いてあります。



確認にかかる時間

日本国籍

2週間〜1か月程度

外国籍

1か月〜2か月程度


これを、予防接種の予約と同じように、逆算して使います。4月1日に働き始める新卒の先生を例にします。


逆算


4月1日

働き始める。それまでに確認書が要る

3月1日

確認に最長1か月なら、この日には園が申請を出していたい

2月中旬

本人が戸籍を提出し、アカウント登録をしておく

2月の初め

戸籍を取るのに、広域交付でも当日から数日、郵送なら1〜2週間。この時期には「戸籍を取ってください」と本人に伝えていないと間に合わない

1月中

内定者への案内を出す。これが逆算の答え


外国籍の方は、さらに1か月前倒しにしたほうがよいと思います。




後半|園はどうするか

職員への伝え方|4つに絞る


伝えること

1 いつか

いま働いている方は、令和9年(2027年)4月から令和11年(2029年)12月の間で、園のある都道府県ごとに割り当てられる「申請対象月」に行います。その4か月前に園に知らされるので、分かり次第お知らせします

2 用意するもの

出生から現在までの、すべての戸籍。マイナンバーカードで取れる場合と、自分で取る4つの例があります。本籍が遠い方は広域交付で

3 かかる時間

日本国籍は2週間〜1か月、外国籍は1〜2か月ほど

4 園は戸籍の中身を預からない

戸籍の提出先は国で、園が戸籍を見ることはありません。確認の結果も、園の責任者が国のシステム上で見るだけで、記録を別に残すことはしません(Q&A応用編8-1)


この4つ目が、職員の安心につながります。

一緒に聞いておくと、あとが楽になる3つ


聞いておくこと

なぜか

1

マイナンバーカードを持っているか(持っている/いない/申請中)

持っていない方は、最初から「窓口組」

2

結婚や転籍で戸籍が変わったことがあるか(ある・回数/ない/分からない)

回数が多い方は取る通数が増える

2-2

生まれたときの本籍地(親の本籍地)が分かれば

その市区町村が戸籍をコンピューターに切り替えた時期より前に生まれた方は、改製原戸籍が要る(切り替えの時期は市区町村のホームページに載っていることが多い)

3

産休・育休・休職の予定

次の話(育休中の職員)につながる

この3つを先に集めておくと、年明けに申請対象月が伝えられたとき、誰に早めに声をかけるかが最初から分かります。この文例と確認表は、記事の最後にご案内する講座でお配りします。


育休中の職員はいつ確認するか(Q&A 応用編6-6-2)

9月29日のQ&A改訂で、応用編6-6-2が新しく入りました。問いは、分散申請の申請対象月に、確認対象の施行時現職者が休職・休業している場合は、いつ確認するのか、というものです。

答えの前提として、原則は申請対象月に行います。ただし、休職・休業中は、例外的に申請対象月以外の時期に行うことが可能とされています。そして、3つのパターンに整理されています。



職員の状況

どうするか

①

4か月前の伝達時点では、まだ休みに入っていない(これから産休に入る方など)

休みに入る前に、戸籍の提出など本人側の手続きを済ませてもらい、申請対象月に園が申請する

②

伝達時点で、すでに休みに入っていると見込まれる

申請対象月より前に申請してよい。伝達も前倒ししてよい

③

施行日の12月25日から申請対象月まで、ずっと休み続けている

休みの終了後に戸籍を提出してもらい、速やかに確認する。復帰前に無理に取らせる必要はない


見分け方は、2つの問いです。4か月前の伝達のとき、その人は園にいるか、いないか。これで①と②が決まります。施行からずっといないか、で③です。


いちばん大事な注意|育休中の職員を名簿から外さない

Q&A応用編6-6には、育児休業等の職員も施行時現職者だと、はっきり書かれています。ですから、12月24日時点の対象従事者リストから、絶対に外さないでください。

もし外してしまうと、どうなるか。



締め切り

名簿に残した場合(施行時現職者)

施行から3年以内(2029年12月24日まで)。申請対象月に、または3パターンでずらして確認

名簿から外した場合(復帰時に新規採用の扱い)

働き始めるまで=復帰日まで。確認書がないと保育に入れない


名簿から1人消すだけで、締め切りが「3年以内」から「復帰日まで」に変わってしまいます。たとえるなら、クラス名簿から、転園していない子を消してしまうようなものです。消した瞬間、その子の書類が全部作り直しになってしまいます。12月24日の名簿の大事さは、第2回でもお話ししました。


採用まわり|紹介会社・求人サイトと誓約書(Q&A 応用編7-5〜7-8)

同じQ&Aの改訂で、人材紹介会社と求人サイトの問いも入りました(応用編7-5〜7-8、109ページほか)。園の採用に関係するところだけお話しします。


Q&A

中身

7-5

園が依頼すれば、紹介会社が求職者から特定性犯罪前科がない旨の誓約書を集めて、園に進達してよい。ただし、園の依頼なしに紹介会社が一律に求めることは想定されていない

7-6

ある園のために集めた誓約書を、紹介会社がほかの園に回すことは想定されていない

7-8

求人サイトに、特定性犯罪前科がないことを採用条件として載せてよい(ガイドラインの別紙3を踏まえた内容で)


実務で言うと、紹介会社に「うちは採用時に別紙4の誓約書を取っています。紹介の段階で求職者に伝えておいてください」と一言添える。これで、内定後に「聞いていなかった」という案件が減ります。




今日のまとめ|園がやることは3つ


園がやること

1

職員に「戸籍は出生から全部」と伝え、マイナンバーカードの有無、戸籍が変わった回数、休業予定の3つを聞いておく

2

内定者には1月中に案内を出す。4月から「2週間〜1か月」を逆算すると、そこが締め切り

3

育休中の職員を12月24日の名簿から外さない。3パターンで扱う


次回の第8回は、監督・監査編です。誰が何を見に来るのか。監督等指針の別紙1を、1項目ずつ園の書類に当てはめていきます。

お忙しい方は、まず第6回のダイジェストで、9月下旬から10月に出た資料の全体像をつかんでください。8月の終わりから9月に出た資料は、9月のダイジェストと第1回〜第5回で扱っています。

各自治体や保育士会などで参考になりそうでしたら、ぜひ動画や記事を共有して、皆様でお使いください。




「自分も自信がないのに、職員に説明しなければならない」園長先生へ

戸籍の話を職員会議ですると、こう言われませんか。


先生、うちの戸籍、どこまでさかのぼればいいんですか?
カードで取れますか?
本籍が遠いんですけど……
育休中なんですが、いつ?

園長先生や主任の先生は、こう思われるはずです。自分も自信がないのに、職員に説明しなければならない。文書にして配りたいが、何を書けばいいか分からない。育休中の先生に、いつ、どう連絡すればいいか分からない。

制度の説明を、園の言葉に直して職員に配る。実は、この作業がいちばん時間がかかります。




◆こども性暴力防止法 施行直前 総点検セミナー◆

12月25日までに、抜けをなくす2時間

その作業を2時間で終わらせるための講座です。


受ける前

受けたあと

職員に何をどう伝えればいいか分からない

職員向けの「戸籍のご案内」の文例を持ち帰り、園名と担当者を書き換えて、配る日が決まっている

誰に早めに声をかければいいか分からない

確認表で、誰が「窓口組」かが分かる

育休中の先生をどう扱えばいいか分からない

3パターンで答えられる


戸籍だけではありません。ひな型の差し替え、情報管理規程の3択、監督等指針の点検表。「合っているか分からない」を、「何が済んで何が残っているか、自分の言葉で言える」に変える2時間です。国の資料が更新されるたびに中身を差し替えて開催しますので、いつ受けても最新版です。


日程

時間

2026年 10月 14日(水)

18:00〜20:00

2026年 11月 13日(金)

17:00〜19:00

2026年 12月 3日(木)

17:00〜19:00

受講の形

受講料

Zoomライブに参加

6,600円(税込)

ライブ+アーカイブ視聴

8,800円(税込)

オンデマンド(アーカイブ視聴のみ)

8,800円(税込)


全体をゼロからそろえたい方には、3時間の実務対応セミナーもあります。3回とも同じ日の午後に開きますので(10月14日は14:10〜17:00、11月13日・12月3日は13:10〜16:00)、午後に実務対応、夕方に総点検と、続けて受けることもできます。研修をまだ組んでいない園には、従事者研修(保育特化版)もご用意しています。

お申込みは、どの講座も1つのフォームからです。





収録を終えて

戸籍は、けっこう大変ですよね。出生から今までの戸籍を取る経験自体、あまりないと思います。指示された職員からも「こういう場合はどうなの?」がいろいろ出てくるはずです。今日の解説をもとにお伝えいただくとともに、誰がどこまで済んでいるかを事前に管理しておくことも大事になってきます。セミナーでは、その管理表と案内文をひな型にしてお渡しします。

名簿の件も、やってしまいがちなところです。お気をつけください。




お問い合わせ


特定非営利活動法人 すずらんチャイルドケア

人財育成部 部長 太田 宏彰


〒250-0862 神奈川県小田原市成田475-17 ゼフィールU201

TEL 0465-87-7649




ご質問はホームページのお問い合わせフォーム、または動画のコメント欄からもお受けしています。


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